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米MITの神髄は「発明か死か」 石井メディアラボ副所長に聞く

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2012/12/13 7:00
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 「Invent or Die(新しいものを生み出すか、さもなくばやめてしまえ)」――。米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの石井裕副所長は、同校の文化をこう説明する。世界のIT(情報技術)をリードする研究はいかに生まれるのか。17年間メディアラボに在籍し、現実世界とデジタル世界の垣根をなくす研究を続ける同氏に、MITの実像を聞いた。

「ゼロメートルから山を作るように新しいものを作り出す」と語る石井裕氏
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「ゼロメートルから山を作るように新しいものを作り出す」と語る石井裕氏

 ――MITメディアラボの設立から25年が経過した。この間、変わらないことは何か。

 「『Invent or Die』、つまり新しいものを生み出すか、さもなければやめてしまえという精神だ。あるいは『Publish or Perish』。論文を出せなければ滅びる、というのもある」

 「『Demo or Die』、実際にデモで見せられなければ意味がないという考え方もある。アイデアを生み出すことは重要だが、さらにそれをデモできる、視覚的に見せられるようにする。こうした考え方は一貫して変わっていない」

 ―― 一方で変わったことは。

 「ジョーイ伊藤(2011月9月にMITメディアラボの所長に就任した伊藤穣一氏)が持ち込んだ新しいカルチャーだ。オープンにして共有すること。彼はネットの力、オープンの力、ソーシャルによって共有する力を信じていて、そのカルチャーをメディアラボに持ち込んだ」

 「今まではスポンサー企業が関与する研究の内容は非公開だったが、これをどんどんオープンにしようとしている。成果もそうだ。さらに外部の人とも議論をしながら、オープンなイノベーション(技術革新)を目指そうとしている」

 「彼が来てからメディアラボのカルチャーはずいぶん変わった。メディアラボが開催するほとんどのイベントはネット動画配信サービスのユーストリームで生中継している。さらに世界トップクラスの人物を招待して議論し、その内容も公開している。こうしたオープンイノベーション文化によって『メディアラボ2.0』を作っている」

 ――「タンジブル・ビッツ」という新しいインターフェースの概念を提唱している。

「ミュージックボトル」は医薬品の服用履歴管理などビジネス応用が可能という
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「ミュージックボトル」は医薬品の服用履歴管理などビジネス応用が可能という

 「タンジブル・ビッツとはマウスやキーボードを使った操作ではなく、人が手で直接触れることができる(タンジブルな)操作を可能にする新しいインターフェースを実現する概念のことだ」

 「研究の一例が『ミュージックボトル』だ。ガラス瓶の蓋を開けると、ジャズなどの音楽が流れる、というものだ。ガラス瓶をデジタル世界とのインターフェースに変えるプロジェクトだ」

 「『サンドスケープ』というプロジェクトもある。砂を敷いた箱の中に作った3次元の形状をコンピューターで読み取り(仮想的な)地形や等高線、風向きなどを砂の上へリアルタイムに描き出す」

 「人間の思考や思索自体に関する研究にも取り組んでいる。アイデアをどう表現するか、コンピューターの中のテキストとか紙の上に書いたインクなどではなくて、直接、しかもグループで協調的に操作できる。そういう表現形態を発明している。それによって他人とのやりとりが変化し、人々の思考、特にグループでの思考を劇的に変えられると期待している」

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