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風力発電、周辺産業に追い風…部品から金融まで
編集委員 安西巧

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2013/7/2 7:00
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 欧米や中国に比べ出遅れていた日本の風力発電産業がようやく成長軌道に近づいている。福島沖や千葉・銚子沖、北九州沖などで巨大風車を使う洋上風力発電の実証実験が進む一方、陸上の小型風車による発電プラントも昨年7月にスタートした再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT=Feed―in Tariff)による追い風で急増中。現在開発が加速しているブレード(回転翼)の長さ80メートル超の巨大風車を搭載する風力発電システムの世界市場では、日本メーカーの存在感が一躍高まる見通し。1万~2万点とされる部品部材でも日の丸製造業の優位性が指摘されており、自動車や航空機などに並ぶ産業クラスター(集積群)の形成に向け、製造業から金融分野まで関連企業の関心が高まっている。

報道陣に公開された浮体式洋上風車(25日午前、千葉県市原市)
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報道陣に公開された浮体式洋上風車(25日午前、千葉県市原市)

 6月28日、三井造船千葉事業所(千葉県市原市)のドックから巨大な浮体式洋上風力発電設備の曳航(えいこう)が始まった。行き先は福島県いわき市の小名浜港。「ふくしま未来」と名づけられたこの巨大設備は、丸紅など10社と東京大学が参加する「福島洋上風力コンソーシアム」が経済産業省から受託して進める浮体式洋上ウィンドファーム実証研究の第1期事業に利用される。8月までに小名浜港から福島県広野町沖約18キロメートルの場所に再び係留され、10月に発電を開始する予定だ。

 三井造船が傘下の三井海洋開発などと製作した風車を支える鋼鉄製浮体は高さ32メートル、横幅は50メートルを超える。洋上の石油・天然ガスプラントなど向けの鋼鉄製浮体を建造してきた同社の技術ノウハウを生かし、保守・管理の難しい設置環境を考慮して20年間は基本的にメンテナンス不要とされる。三井造船は川崎重工業との経営統合が白紙となり、不振の造船事業を補う新たな戦略が求められているが、6月27日の株主総会後に新たな中期経営計画(2013~17年)を発表した田中孝雄社長は洋上風力発電など再生可能エネルギー分野の事業拡大に意欲を見せている。

 その鋼鉄製浮体の上に設置されている高さ約90メートル、重さ約320トン、発電能力2000キロワットの巨大風車を手がけたのは日立製作所。これまで一般的だったアップウインド型と異なり、「ナセル」と呼ばれる発電機や変圧器を収納した箱をブレードの前方(風上側)に置くダウンウインド型の風車で、下から吹き上げる風を効率的にとらえることができる。

 日立は昨年7月、このダウンウインド型風車を開発製造していた富士重工業の風力発電事業を買収した。出力2000~5000キロワット級の大型洋上風車の市場に照準を合わせており、昨年末には中部電力子会社のシーテック(名古屋市)と津市や三重県伊賀市が出資する第三セクター、青山高原ウインドファーム(津市)から2000キロワットの風力発電機40基を受注した。16~17年に順次運転を始める予定で、受注金額は200億円弱とみられている。

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