個人、市場乱調でリスクに先手 住宅ローン、固定型が増加

2013/6/1付
共有
保存
印刷
その他

 金融市場の激しい動きを踏まえ、金利上昇や株安の影響を回避しようとする個人の動きが広がってきた。長期金利の上昇を受けて、大手銀行は31日、6月の住宅ローン金利を引き上げると正式に発表した。金利上昇に備えて固定金利型のローンを選ぶ人がじわりと増えている。個人投資家は相場が急変しても損失が小さくて済む低リスク型の金融商品に関心を寄せ始めた。

 大手銀が住宅ローン金利を上げるのは2カ月連続。三菱東京UFJ銀行の場合、固定金利5年(最優遇)は年1.05%から1.2%に、固定10年は1.4%から1.6%にそれぞれ上がる。歴史的にみればまだ低い水準だが、史上最低だった昨年12月の1.3%から半年で0.3%上がった。

 住宅ローンのコンサルティングを手掛けるエフ・ピー・ジャパンに金利上昇の影響を試算してもらった。3000万円を固定10年型を利用し、30年で返済する場合、毎月の返済額は約10万5000円。金利が0.2%低かった5月より3000円弱増える計算となる。宮崎勝己社長は「金利が多少上がる可能性を考慮に入れて借り入れ計画を立てるべきだ」と話す。

 住宅金融支援機構の調査によると、4月の変動型の利用は46%と2年半ぶりの低い水準。三菱UFJで固定10年を選ぶ人は全体の2割程度と1年前に比べて倍増した。三井住友、みずほ両行は固定型が新規実行分の3割程度に上る。

 「いつまで今の金利が適用されますか」。ソニー銀行には問い合わせが相次ぐ。変動型から固定型への借り換えを望む人が多いという。三井住友信託銀行は借り換えの相談件数が5月、前年同月比4倍。住信SBIネット銀行も4月のローン申込件数が前年同月の1.5倍を超えた。

 もっとも固定型といっても、タイプはさまざま。一部の信託銀行は3年固定型を1%を切る金利で提供している。通例とは逆に変動型より金利が低い隠れたお得商品だが、4年目以降に金利が上昇するリスクは残る。

 地域によっては激しい低金利競争が続く。福岡ひびき信用金庫(北九州市)は子供の数や環境に配慮したエコ住宅などの条件を満たせば10年固定が0.75~1.25%となる。蒲郡信用金庫(愛知県蒲郡市)は10年固定が1.2%。「基本的に9月まで金利を変えない」(担当者)としている。

 一方で変動型にも根強い人気がある。長期金利に連動する固定10年と異なり、短期金利に応じて決まるため、主要銀行は6月の金利を据え置いた。「日銀が強力な金融緩和を続けている限り変動金利は上がりにくい」との見方が一般的だ。

 金利上昇で、どう動くべきか。アベノミクス効果と消費税率引き上げに備えた駆け込みで増加傾向にある住宅投資に一段と弾みがつきそうだ。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 22日 7:00
22日 7:00
東北 22日 7:01
22日 7:00
関東 22日 7:01
22日 7:01
東京 22日 7:01
22日 7:00
信越 22日 7:00
22日 7:00
東海 3:00
2:00
北陸 22日 6:32
22日 6:25
関西 1:31
22日 22:49
中国 22日 6:02
22日 6:00
四国 22日 6:02
22日 6:00
九州
沖縄
22日 21:38
22日 21:37

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報