外国人初の看護師合格3人、合格率1% 日本語克服に課題山積

2010/3/26 22:12
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 厚生労働省は26日、経済連携協定(EPA)に基づいて来日したインドネシア人とフィリピン人の計3人が看護師の国家試験に初めて合格したと発表した。ただ、外国人の合格率は1%強で、全体の合格率(89.5%)を大きく下回る。高齢化で看護師・介護士のニーズが高まる中で、日本語による試験のあり方を含め、受け入れ政策の見直しを迫られる。

 EPAによって看護師候補として来日したインドネシア人は2008~09年度に277人。フィリピンからは09年度に初めて93人が来日した。今回受験したのは計254人で合格率は1.2%。昨年はインドネシア人82人が国家試験を受けたが合格者はゼロだった。看護師の国家試験では日本人の場合は7~9割が合格する。外国人の合格率が極端に低い要因は「日本語の壁」にある。

 都内の河北総合病院は09年2月に2人の看護師候補を受け入れた。看護師試験に向けて看護部の担当者が学習プランを作成。仕事後に看護師らがボランティアで日本語を教える毎日だ。だが1人は1年たった今も漢字の読み書きができない。担当者は「最初はあいさつもできなかった。試験問題の解読は極めてハードルが高い」と話す。

 不合格だった外国人は来年の試験へ向け勉強を再開することになる。受験機会は3回まで。認められた滞在期間は3年。受け入れ病院でおむつ交換などの看護補助作業をしながら、専門知識や技術を学び、日本語を勉強するケースが多い。

 看護研修や日本語の学習費用は多くの場合は施設が担う。インドネシア人を受け入れている病院関係者は「現場の負担を考えると追加受け入れは考えられない」と話す。雇用情勢の悪化で医療分野で働こうとする日本人が増えたこともあり、10年度に外国人看護師・介護士候補の受け入れを希望した施設は前年度の4割ほどに落ち込んだ。

 長妻昭厚生労働相は26日、「3人合格したのは喜ばしい。日本人でも難しい言葉をどう変えていくかが課題だ」と指摘。岡田克也外相も「言葉の壁が必要以上に阻害要因にならない工夫がいる」と話した。政府は試験問題での専門用語の簡単な言い換えなどを検討する構え。10年度予算で日本語能力を高めるための費用を助成するなど支援策を拡充する。

 他の主要国に比べて日本は外国人労働力の位置付けがはっきりせず、受け入れのための制度整備も怠ってきた。政府はインドネシア、フィリピンともに最初の2年間で約400人の看護師受け入れを掲げているが、定員割れに拍車がかかる可能性が高い。

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