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ルノワール 光舞う日常賛歌
「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」

2016/4/24 3:30
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 印象派を代表するフランスの画家、オーギュスト・ルノワール(1841~1919年)を紹介する「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」が27日、東京・六本木の国立新美術館で幕を開ける。初来日の傑作「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」をはじめ、初期から晩年まで80点を超す作品と関連資料で画業の全貌に迫る。

 

 手前のテーブルでは、若い男女5人が酒を飲みながら、おしゃべりに興じている。その奥には楽隊の生演奏に乗って、ダンスのステップを踏むカップルたち。木漏れ日が降り注ぎ、画面全体がきらきらと輝いている。

 「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、ルノワールが35歳の頃に手がけた。当時、パリの庶民の間では、ダンスホールを備えた安酒場が流行していた。「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」もその一つで、モンマルトルきっての人気店だった。近くに住む労働者たちは休日になるとおしゃれをして集まり、戸外のダンスホールで飲んで歌って、楽しんだ。

 

 「作品の最大の魅力は臨場感。手前の人物は、ほぼ等身大で描かれていて、絵の前に立つと自分も仲間に加わったような気持ちになります」と、国立新美術館学芸課の横山由季子さんは解説する。「幸せな時間を過ごす庶民たちへの共感が感じられますね」

 印象派の画家の大半はブルジョワ家庭に育ったが、ルノワールは仕立屋の息子。つまり庶民の出身だった。絵のモデルはモンマルトルで働く娘や画家で、ルノワールの友人たち。自らが謳歌した青春の一ページを、カンバスにとどめたというわけだ。

 「同時代の風俗を描いたのが印象派の特徴ですが、中でも彼は庶民の日常の幸福に焦点をあてた。この絵を描く数年前まで人々の生活は普仏戦争やパリ・コミューンに脅かされていたから、一層彼らの喜びにひきつけられたのでしょう」と横山さん。

 今展は、世界で最も充実したルノワールのコレクションを持つ2つの美術館の主要作品がそろう。「都会のダンス」と「田舎のダンス」が45年ぶりに併せて日本で展示されるほか、最晩年の大作「浴女たち」も初来日する。作品を通観すれば、素朴な喜びを何よりも尊んだ画家の美意識が浮かび上がってくるだろう。

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