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失速iPhone、次期「7」投入でも反転攻勢に期待薄
中根康夫 みずほ証券エクイティ調査部シニアアナリスト

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2016/4/28 6:30
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日経テクノロジーオンライン

 米Apple(アップル)のiPhone販売に改善の兆しが見られない。2016年1~3月期の販売台数は、前年同期比16%減の5119万台となった。今後、2016年の生産も「前年比マイナス」が続く見通しで、みずほ証券は2016年通年のiPhone最終生産数量を従来予測の2億2400万台(前年比11%減)から2億600万台(同18%減)へと引き下げている。果たして、次期モデル「iPhone 7」シリーズで反転攻勢となるのか――。業界動向に詳しいみずほ証券エクイティ調査部グロ-バル・ヘッド・オブ・テクノロジー・リサ一チ、シニアアナリストの中根康夫氏に解説してもらう。

Appleが2016年3月に発売した4.0型の新モデル「iPhone SE」
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Appleが2016年3月に発売した4.0型の新モデル「iPhone SE」

 iPhoneの部品発注調整や生産調整の流れが続いている。2016年の中国の旧正月(春節)は2月8日だったが、中国に工場を持つ多くの部品・部材メーカーやEMS(電子機器の受託製造サービス)が2週間以上も生産を停止したと見られる。過去には見られなかった規模の生産調整が行われた。

 みずほ証券は2016年第1四半期(1~3月)のiPhone最終組立台数を4000万台(前年比33%減、前期比46%減)と予想している。前期比46%減は、iPhone 5s/5c発売後の2014年第1四半期(1~3月)における38%減を超える減少率である。

 機種別内訳は、6/6sが2400万台(2015年12月16日見通しは2500万台)、6 Plus/6s Plusが1000万台(同1200万台)、5s/SE(4型、2016年3月発売の新機種)が600万台(同600万台)である。ここで6/6sには300万~400万台程度の6が、6 Plus/6s Plusには100万~200万台の6 Plusが含まれる。5sも比較的堅調で、全体的に旧機種が生産数量を若干ながら押し上げている格好だ。

 カメラモジュールや関連部品、ForceTouchなど、2015年第2~第4四半期前半に過剰に取り込まれた部品や部材に関しては、出荷が前期比55%以上の減少になるものもあると見ている。しかし、これらは在庫調整が終了するタイミングも早いだろう。一方、液晶パネルやその他の電子部品は上記よりも出荷数量の減少幅は小さいが、2016年3月末時点の在庫が過剰気味となっている可能性は排除できない。

■生産調整は底打ちしていない

 2016年第2四半期(4~6月)のiPhone最終組立台数については、従来予想の4700万台(前年比29%減、前期比15%増)を4400万台(前年比33%減、前期比9%増)に引き下げる。機種別内訳は6/6sが2500万台(従来予想は2700万台)、6 Plus/6s Plusが900万台(同1100万台)、5s/SEが900万台(同900万台)である。

 労働日数の増加により、第2四半期の生産は前期比で若干の増加を想定する。ただし、前年比では依然として3割強の減少であり、サプライヤーの生産能力と比べて低水準の生産が続く見通し。このことから、生産調整のモメンタムは依然底打ちしていないとの認識を持っている。

 新機種の「SE」に関しては、アプリケーションプロセッサーが「A9」、1200万画素のカメラなど、6sシリーズの小型機種として投入されると見ていたが(Force TouchやHapticはついていないとの前提)、ほぼ予想通りの発表内容だった。同機種の年間生産台数は1700万台以下と見ているが、価格が16Gバイトモデルで399米ドルと想定よりも低かったこともあり、予想以上の販売になる可能性もある。

 従来はSEの発売後も5sを残し、5sはロングセラーになる可能性があると見ていたが、5sは販売終了となって4型機種はSEに注力するもようだ。

■iPhone 7/7 Plusの大ヒットは考えにくい

Apple CEOのTim Cook氏
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Apple CEOのTim Cook氏

 従来、2016年通年のiPhone最終生産数量は前年比11%減の2億2400万台としていたが、同18%減の2億600万台へと引き下げる。理由は次の2点だ。

 第1に、2016年上期の6s/6s Plusの生産見通しが想定を下回ること。第2に、「リスクシナリオ」が現実味を帯びてきたこと。ここで言うリスクシナリオとは、次期モデル「iPhone 7」シリーズの目玉機能とされる、2つのカメラで撮影する「デュアルカメラ」の5.5型への採用比率が最も低くなる場合や、SEの設定小売価格が想定以上に高くなる場合である。

 iPhone 7シリーズについては、「フルモデルチェンジだから需要喚起が期待できる」と単純に考えることは危険だ。機能面では、アプリケーションプロセッサーの性能進化は、従来より小さいと見られる。上下狭額縁・フルスクリーン・ホームボタン内蔵のすっきりした外観を想定したディスプレーを採用する可能性は低く、外観は6sに酷似するかもしれない。防水機能やTypeCコネクター、Bluetoothヘッドフォンの採用などは、あったとしても訴求力はあまり大きくないだろう。

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