Tech Frontline

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

ソニー「プレステVR」、399ドルで試すヒットの法則

(1/2ページ)
2016/3/27 6:30
共有
保存
印刷
その他

 3月14~18日、米サンフランシスコで世界最大のゲーム開発者会議「GDC2016」が開かれた。会場で最大の関心を集めていたのが、いよいよ普及期に突入するバーチャルリアリティー(VR=仮想現実)用のヘッドマウントディスプレー(HMD)だ。その中でも、特に注目を集めたのがソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の記者会見だ。据え置き型ゲーム機「プレイステーション4」用のVRHMD「プレイステーションVR」(以下、プレステVR)の価格と発売時期が明らかになったからだ。将来的にはパソコンとの接続も視野に入れているプレステVRの、市場へのインパクトを探った。

会見中のアンドリュー・ハウス氏
画像の拡大

会見中のアンドリュー・ハウス氏

 SCEは今年10月、日本・米国・欧州でプレステVRを同時発売する。価格は399ドル。国内の値付けは4万4980円だ。アンドリュー・ハウス代表取締役社長のプレゼンテーションはたった15分で終了したが、会場を熱気の渦に巻き込むには十分だった。プレステVRが価格以上の完成度の域に達していたからだ。

■高いハードの完成度、ゲームタイトルも充実

 会場脇には、集まったメディア関係者向けに、プレステVR対応ゲームを体験できるコーナーが用意されていた。その数、20タイトル。VRは実際に体験しないと、そのすごさを実感しにくい。その意味で貴重な機会だった。

 実際に試したプレステVRのハードとしての完成度は、非常に高かった。特に、有機ELパネルに表示される映像は、鮮明で美しい。VRの特性を生かしたシューティングゲーム「レズ インフィニット」や戦車アクションゲーム「バトルゾーン」、レースゲーム「ドライブクラブ」などを実際にプレーしたが、テレビモニターのパネルサイズから解放され、快適に遊ぶことができた。特にレースゲームは、現実世界の自動車を運転しているとしか思えないほどリアルで、一度VRHMDを使ってしまうと、二度とテレビモニターを使いたいとは思わなくなるだろう。

「ドライブクラブ」のプレーの様子。ハンドルコントローラーを利用してプレーしている
画像の拡大

「ドライブクラブ」のプレーの様子。ハンドルコントローラーを利用してプレーしている

 ボタン一つで頭に着脱できる操作性や自然なフィット感も、競合製品には見られないプレステVRの優れた点だ。家電製品を手がけてきたソニーの「血」を受け継ぐ出来栄えである。

 対応ゲームは、大手メーカーや小規模の独立系ゲーム会社を含め、230本以上のタイトルの開発が進んでいる。アンドリュー社長は「年末までに50タイトル前後のゲームをリリースする予定がある」とアピールした。これだけの条件がそろえば、プレステVRの発売直後に品薄状態が続くことは想像に難くない。

 もちろん、今月発売の高性能VRHMD「オキュラスリフト」(価格599ドル、日本円では送料・税別で8万3800円)や4月発売の「HTCヴァイブ」(価格799ドル、11万1999円)と比較すると、映像の精密さでプレステVRは劣る。ただし、これらの高性能モデルは、プレステVRより価格が2倍近くする。さらに、動作させるには15万円以上の高性能パソコンが必須のため、一般のユーザーが簡単に購入できる代物ではない。一方、プレステ4とプレステVRをまとめて買っても9万円程度で済む。VRHMDをかじり始めるユーザーには、魅力的な価格帯だろう。

 VRHMDは、高性能パソコンを必要とする「ハイエンドVR市場」と、スマートフォン(スマホ)を使って手軽にVRを体験できる「スマホVR市場」に大別できるが、価格が明らかになったプレステVRはその中間の「ミドルレンジVR」ともいうべき新しいセグメントをつくれる可能性を秘めている。現時点では、プレステVRのみで競合製品がないため、有利な状況をつくれると考えていいだろう。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!

【PR】

Tech Frontline 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

テスラが年内に発売する「モデル3」。小型SUV「モデルY」はこのモデル3以上の売れ行きになると期待している=AP

AP

「Model 3以上に売れるEV」 テスラ、小型SUV投入へ [有料会員限定]

 「2019年に小型SUV(多目的スポーツ車)の電気自動車(EV)「Model Y」を発売する」。2017年6月上旬、米Tesla(テスラ)の最高経営責任者(CEO)であるElon Musk氏は米シリ…続き (8/22)

図4 米設計事務所クラウズ・アーキテクチュア・オフィスが構想する「アナレンマ・タワー」の下端部分。小惑星から高強度ケーブルで建物を吊り下げる。地上との往来は大型無人機による輸送や、電磁式エレベーターなどを活用する(資料: CloudsArchitectureOffice)

Clouds Architecture Office

「小惑星から吊るタワー」構想も登場、宇宙建築に熱 [有料会員限定]

 内閣府は2017年5月、「宇宙産業ビジョン2030」を発表。国内宇宙産業の市場規模を2倍に拡大する方針を示した。「宇宙エレベーター」や「小惑星から吊るタワー」など、新時代に備えた建築の構想が熱を帯び…続き (8/18)

図7 ガラス張りのブースで行う検査工程。LED照明を天井から床まで設置したガラス張りのブースで、ボディーの外観品質をチェックする

にらみを利かせる8人の「匠」 トヨタ、レクサス新工場 [有料会員限定]

 トヨタ自動車は2017年1月、愛知県豊田市にある元町工場に高級車の専用生産ラインを稼働させた(図1)。クーペモデルの「レクサスLC500」とハイブリッド車「同h」を造る。共に1300万円を超える高額…続き (8/17)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

TechIn ピックアップ

08月22日(火)

  • VRとロボットアームが、遠隔手術を可能にするかもしれない
  • VR空間をタダでつくれる「STYLY パブリックβ版」を知っているか!?
  • ドローンの次は多脚AR対戦型ロボットの「メカモン」(MekaMon)と仲間たちだ

日経産業新聞 ピックアップ2017年8月23日付

2017年8月23日付

・富士フイルム、橋やトンネルのひび割れ、画像で自動診断
・JTがアトピー薬19年発売 たばこ一本足の脱却へ前進
・水ing、自治体向けに省エネし尿処理設備 CO2を2割削減
・ゲスタンプ、熱間プレス、加工速度2.5倍 来年から量産へ
・東急リバブル、リノベ物件の資材一括調達 施工業者の負担軽減…続き

[PR]

関連媒体サイト