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マーリンズ、陰で浸透するイチローイズム
スポーツライター 丹羽政善

(1/2ページ)
2016/3/8 6:30
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 今、イチロー(マーリンズ)と同じシューズを履きたいという選手が、チームメートの中に増えている。実際、約30人が注文したそうだ。イチローイズムの本格的な到来だが、それを目で見て実感できるかといえば、そうではなさそう。おそらく彼らはフィールドでのストレッチ、打撃練習などで着用することはない。なぜなら、大リーガーの多くがスパイク、トレーニングシューズの契約を結んでおり、形態については後で触れるが、例えば、年間100万ドル(約1億1400万円)の契約金をもらっている選手であれば到底、写真に撮られるような場所で違うメーカーのシューズを履けないからだ。

履けるのはトレーニングジムの中?

 昨年秋、大リーグ以上にシューズに関しての契約が厳しい米プロバスケットボール、NBAの世界でこんなことがあった。

 あるメーカーと13年総額2億ドルという契約を結んだばかりのジェームス・ハーデンという選手が、別のメーカーのシューズを履いているところを写真に撮られてしまったのだ。それはデート中だったが、2億ドルの契約ではプライベートでも契約メーカーのシューズを履くことが義務づけられており、一時は契約破棄かと騒ぎに。ハーデンはちょっとした軽率な行為で、2億ドルをフイにするところだった。

 マーリンズの選手も契約を理解しているので、ある野手は「履けるのは(メディアに写真を撮られる心配がない)トレーニングジムの中かな」と笑いながら話したが、見方を変えれば、リスクを犯してでもイチローのシューズを履いてみたい、ということになる。

 すでに履いたことのある投手はこう感想を漏らしていた。

 「まるで、はだしでいる感覚に近い。足の裏のプレッシャーがかかるところが違う。実に履きやすい」

 これまでのシューズとは根本的に違うことが、少し試し履きしただけで実感できたようだ。彼もやはり公の場で履くことは許されない身だが、注文したシューズが届くのを心待ちにしていた。

機能性に驚き、興味をそそられた

 では、そんな現象をどうイチロー本人が見ているかだが、「選手たちがどうしてここまで興味をもつのか、そこがすごく興味深いですね」と話し、続けた。

 「デザインがいいというのはもちろんですが、それだけではないだろうからね」

 大リーガーというプロのアスリートといえど、スパイクならまだしも、トレーニングシューズにまで多くを求めることはなく、あくまでデザインで選んでいるケースが多い。しかし今回、選手らはイチローのシューズを試しに履いてみたときの機能性に驚き、興味をそそられた。そういう考え方は新鮮だ。

 ただ、先ほどの投手はこんなふうにも話していた。

 「イチローが成功している裏には何か理由があるはず。僕も試してみることはできるからね」

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