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データ分析組織が活躍 「攻めのIT経営銘柄」大阪ガス

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2015/12/28 12:00
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日経情報ストラテジー

 大阪ガスは、経済産業省が今年初めて発表した「攻めのIT経営銘柄」18社のうちの1社。その選出の陰には、データ分析組織「ビジネスアナリシスセンター」の存在があったと見られる。同組織は、大阪ガスグループのあらゆる部署を“顧客”と見なし、年間30件ほどのプロジェクトをこなす。統計解析や環境、エネルギー、気象などの専門知識を備えた人材をそろえ、データ分析を武器に現場の意思決定に役立つ解を提供し、報酬を受け取る独立採算制を敷く。昨年度と今年度に大きな成果を上げた2つの事例を紹介しよう。

ビジネスアナリシスセンターに所属するデータサイエンティストは10人。この3年で半数が入れ替わった。中央の男性が河本薫所長(写真:宮田昌彦)
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ビジネスアナリシスセンターに所属するデータサイエンティストは10人。この3年で半数が入れ替わった。中央の男性が河本薫所長(写真:宮田昌彦)

 まずは昨年度(2014年度)に主管部署と共に「社長賞」を獲得した案件から見ていく。オフィスビルなどに設置されたガス機器を大阪ガス側から遠隔監視するサービスは以前からあるが、ビッグデータを分析して事前に故障を予知し、先回りして保守担当者が部品交換に駆け付けるサービスにつなげた。2014年度には年間で600件、故障を未然に防止できた。

 ビジネスアナリシスセンターを率いる河本薫所長は、メンバーに問題解決に不可欠な3つのプロセスを説く。「(問題を)見つける」「(問題を)解く」「使わせる」である。この流れに沿って、故障予知の例を見ていこう。

 この事例での「見つける」については、“発見者”は河本氏自身。ここ3年くらいの間に「ビジネスアナリシスセンターが社員に知られるようになり、『こんな課題があるから相談に乗ってほしい』と話を持ちかけられるようになった」という背景がある。河本氏が相談を受けて話を聞くと「ガス機器の遠隔監視で大量のデータを取得しており、ここから故障の予兆をつかめないか」というものだった。

谷俊明データサイエンティストは、ガス機器の遠隔監視による故障予知を実現(写真:宮田昌彦)
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谷俊明データサイエンティストは、ガス機器の遠隔監視による故障予知を実現(写真:宮田昌彦)

 この問題をどう「解く」か。河本氏の持論が展開される。「解く鍵は現場にある」というものだ。

 ビジネスアナリシスセンターの谷俊明氏は主管部署に数カ月通った。そこで担当者へのヒアリングで「ガス機器の温度と電圧の計測値が、ある閾値(しきいち)を超える回数が増えるほど、故障の確率が高まる」ことを突き止めた。故障予知を実現するロジック組み立ての出発点になった。

 谷氏は温度と電圧の「閾値超え回数」を2軸に取ったマトリクスを用意した。故障予知ロジックで抽出された該当件数である「捕捉率」と、過去データで検証したときに同様の閾値超え回数で実際に故障が起きた「的中率」の2つを表示。その値を見て、保守担当者自身が部品交換に行くべきかを判断する。これが最後の「使わせる」だ。

 図1では「温度の閾値が3回、電圧の閾値が4回超えた案件は5件あり、過去の同様のケースに照らして分析すると、その後の的中率(故障率)は60%と見積もれる。5件のうち3件は、近いうちに故障する可能性が高い」と判断できる。

図1 ガス機器の遠隔監視で得られるビッグデータを使い、故障予知ロジックを構築
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図1 ガス機器の遠隔監視で得られるビッグデータを使い、故障予知ロジックを構築

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