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遠隔診療、事実上解禁 「ソーシャルホスピタル」へ前進

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2015/11/24 6:30
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■遠隔診療をカジュアルに

 遠隔診療の実現手段(ツール)にも、ここ数年で劇的な変化が起こった。スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器が急速に普及し、ウエアラブル端末なども相次ぎ登場していることだ。

 これらのデバイスを使って、離れた場所にいる医師と患者が、患者の情報を手軽に共有できるようになった。クラウドコンピューティングや人工知能など、日常のデータを収集し解析するための情報基盤も飛躍的な進化を遂げている。

 大がかりで高価な専用のテレビ会議システムで遠隔地をつなぐ従来の遠隔診療から、身近な機器を使った“カジュアル”な遠隔診療へ。ツールの進化は、遠隔診療の姿を大きく変えようとしている。既に保険適用外の領域では、モバイル機器を使った遠隔でのモニタリングツールや健康相談サービスが相次ぎ登場している。

 スマートフォンを使って、健康に関する心配ごとを遠隔地にいる医師に気軽に相談できる─―。「ポケットドクター」と呼ぶそんなサービスを2015年12月にも始めるのが、MRTとオプティムである。

MRT 代表取締役社長の馬場稔正氏
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MRT 代表取締役社長の馬場稔正氏

 ポケットドクターでは、利用者がスマートフォンで相談内容を登録。あらかじめサービスにエントリーした複数の医師がそれを見て、自らが答えようと思った相談に対して休憩時間などに専用アプリから回答する仕組みだ。相談に当たっては、スマートフォンのカメラを使って患部の状況や顔色を伝え、より正確なアドバイスを受けられるようにする。

 「コンビニに行くような感覚で手軽に健康相談ができる環境を作りたい」。MRT 代表取締役社長の馬場稔正氏はサービスの狙いをこう話す。ゆくゆくは、患者側が医師を指定して行うセカンドオピニオンや、自治体向けのへき地医療など、ポケットドクターのインフラを使ったさまざまなサービスを検討していくという。

 保険の一部適用を前提とした遠隔診療サービスもいよいよ立ち上がる。メディア事業などを手掛けるポートが、お茶の水内科の五十嵐氏らと共同開発した「ポートメディカル」がそれだ。スマートフォンなどを介し、遠隔で医師と患者をつなぎ、診断、処方、医薬品の配送までを実現する日本初のサービスとなる。

■メンタルヘルスと高い親和性

 ウエアラブル端末も今後、遠隔診療において大きな役割を果たしそうだ。注目される領域の1つが、まだ「有効なバイオマーカーが存在しない」(Vital Connectの大川氏)というメンタルヘルスの領域である。

エムキューブのビジュアルコミュニケーションシステム
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エムキューブのビジュアルコミュニケーションシステム

 Vital Connectは同社のバイタルセンサーを使い、睡眠中の心拍やその変動、体動を測ることで「うつ病などの精神疾患に特有のパターンを抽出できるのではないか」(大川氏)とみる。今後、大学の研究者やアプリ開発者などと研究を進めていく。

 企業による従業員の「ストレスチェック」が2015年12月に義務化されるなどの動きもあり、メンタルヘルスに注目するプレーヤーは多い。例えば、ウェブ/テレビ会議向けクラウドサービス大手のブイキューブとエムスリーの合弁会社であるエムキューブも2016年度をめどに、メンタルヘルスの領域で医師と患者を直接つなぐコミュニケーションシステムを開発する狙いである。

(日経デジタルヘルス 大下淳一)

[『日経デジタルヘルス特別編集版2015秋』の記事を再構成]

[参考]日経BP社は2015年12月9日、「どうなる?遠隔診療」と題したセミナーを開催する。厚生労働省が遠隔診療の適用範囲について、より広い解釈を明確にする通達を出したことを受け、遠隔診療にかかわる医療関係者や産業界のプレーヤーを招き、遠隔診療の動向とそれが生み出す新たな市場機会を展望する。詳細は、http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/seminar/15/102100041/


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