米五輪選手、座禅も活用しメンタルトレーニング
東海大学体育学部教授 高妻容一

(1/3ページ)
2015/9/4 6:30
共有
保存
印刷
その他

 前回は、IMGアカデミーというスポーツ選手の英才教育をしている施設を紹介しました。今回は、6月に訪れたコロラドスプリングス・オリンピック・トレーニングセンターでのメンタルトレーニングを紹介しましょう。米国の五輪レベルの選手が集まる施設やメンタルトレーニングの最新情報をお伝えします。

USOC(米オリンピック委員会)オリンピック・トレーニングセンター

 米国にはこのような五輪選手用のトレーニングセンターが何カ所もあります。午前9時にセンターに着くと、ショーン・マッカーム博士が出迎えてくれました。彼は1990年からこのトレーニングセンターの専属スポーツ心理学者として活動しています。現在ここでは420人のスタッフが働き、そのうちスポーツ心理学者はマッカーム博士とピーター・ハベル博士、キャロン・コーガン博士の3人がいます。

オリンピック・トレーニングセンターの体育館にあるトレーニング機器
画像の拡大

オリンピック・トレーニングセンターの体育館にあるトレーニング機器

 スポーツ心理学のスタッフのいるパフォーマンスセンターという建物には体育館があり、その1階には各種トレーニング機器が置かれています。また、直線のトラックが体育館の中から外まで続いていました。2階に上がる階段はトレーニングに用いられ、ダッシュ用の坂と階段があります。

 私が訪れたときは、体育館の2階にあるトラックを1人の選手が走り、その横のトレーニング場では数人の選手が階段状のトレーニング機器で手と脚を鍛えていました。つまり1、2階を合わせ体育館全体がトレーニングルームになっています。たぶん、これほどの規模のトレーニングジムは日本にはないのではと思います。

 パフォーマンスセンターの2階には調理場があり、バスケットボールの米ジュニア代表チームが、スムージー作りの実習をしていました。ここは選手たちに料理を学ばせる施設で、もちろん栄養指導もするのですが、食事の作り方まで教え、実践させているのには驚きました。

 パフォーマンスセンターには、私が勤務する東海大の4倍はある低酸素室、ミーティングルーム、リハビリルーム、ニューロサイエンスルーム(バイオフィードバックなど生理学的指標を活用したトレーニングができる部屋)、そして各スタッフの部屋などがありました。

マインドフルネス・クラス(ハベル博士)

 「マインドフルネス(今の自分に意識を集中すること)」というセッションは、オリンピック・トレーニングセンターで練習や合宿をしている選手が希望すれば、だれでも参加できるものでした。許可をもらい、このセッションに参加してみました。最初に、自転車の米代表選手が「このクラスには楽しむために来ているわけではない。試合での逆境に打ち勝つのに役立つと思うから来ています」と話してくれました。

 まず、全員が座禅用の座布団に座り、メディテーション(めいそう・座禅)を約20分します。そして、テニスの選手の写真を見せて、マインドフルネスの説明がありました。例えば、フェデラー選手が「いつも緊張しています」とコメントしている写真を見せて、「今の自分に意識を集中すること、自分のやっている現在の活動に意識を集中すること」の重要性を説きます。その上で、「心理的な柔軟性を持つこと、自分(の気持ち)をオープンにすること、現在の自分にとって何が重要かを理解することです」と話が進んでいきました。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 23日 7:01
23日 7:01
東北 23日 7:00
23日 7:00
関東 23日 7:01
23日 7:00
東京 23日 7:00
23日 7:00
信越 23日 7:00
23日 7:00
東海 0:00
23日 23:42
北陸 23日 7:01
23日 7:00
関西 23日 6:01
23日 6:00
中国 23日 7:02
23日 7:01
四国 23日 12:00
23日 7:02
九州
沖縄
23日 21:39
23日 21:38

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報