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冷静に見たギリシャ問題の実像

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2015/6/30 9:50
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 ギリシャは、ドイツ人などの避寒地リゾートであった。現地の人たちはドイツ人たちの豊かなライフスタイルを指をくわえて見てきた。そのギリシャが自国通貨ドラクマを捨て、地域統一通貨ユーロに参加した。「これでドイツ人並みの生活ができる」とギリシャ人は夢を見た。実際、自動車ローン金利がいきなりドイツ並みに安くなった。舞い上がった国民も政府も財布のひもが緩み、放漫財政に陥った。特権階級は私腹を肥やした。納税者と徴税側のなれあいが横行した。その間、脆弱な産業基盤は変わらなかった。

ギリシャ国民は二極化が顕著。中産階級は、素材を生かした質素なギリシャ料理でしのぐ(筆者撮影)

ギリシャ国民は二極化が顕著。中産階級は、素材を生かした質素なギリシャ料理でしのぐ(筆者撮影)

 このバブルは、国の財政赤字粉飾が露呈したことがキッカケで崩壊。いざ、国がデフレ・スパイラルに陥ると、ユーロに参加したことが裏目に出た。自国通貨を放棄したので、通貨安政策で、国際競争力を強化することができない。しかも、ユーロの「会員資格」を保つためには、プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字目標を達成しなければならない。この財政を均衡化方向に導けば、自国経済のかかえる債務の返済にあたり、EU(欧州連合)・ECB(欧州中央銀行)・IMF(国際通貨基金)が融資して助けてくれる。しかし、経済正常化に向けた努力を怠れば、救済融資打ち切りという厳しい仕置きを受ける。

 この掟(おきて)を、ギリシャ側は緩めることを求め、債権団は、「緊縮」という条件つきで救済を続けてきた。しかし、イソップ物語風にいえば、ドイツの「アリ」気質と、ギリシャの「キリギリス」気質は容易に変わるものではない。特に、要求される「緊縮」条件が「年金カット・消費増税」となると、たちまちギリシャ国内で一挙に大政治問題化。現チプラス政権は、僅差で選挙を勝利した連合政権なので、首相も「決められない」。そこで、抜き打ち的に、「国民投票」で是非を問う「奇策」に出た。寝耳に水の債権団は、不信感を募らせ、6月30日のIMF債務返済期限の延期と包括的救済融資プログラムの延長を拒絶。

 その間、銀行預金引き出しは日に日に加速していたのだが、頼みの綱のECBからの資金援助も、増額が拒否された。やむなく、チプラス首相は、「銀行休業、預金引き出し上限1日60ユーロ」という規制を導入した。

 昨日は、土壇場での交渉妥結に向けて、EUのユンケル欧州委員長やメルケル独首相が「まだ、ドアは少しだけ開かれている」との最後の妥協の道を探った。しかし、チプラス首相は、「ギリシャ人には威厳がある。屈辱的な提案はのめない」とのスタンスを変えていない。

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