意図して「ゾーン」状態に 最高のプレーで実力発揮
東海大学体育学部教授 高妻容一

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2015/7/2 6:30
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 私たちは、スポーツ選手が最高のプレーをして実力を発揮する状態を「ゾーン」とか「フロー」と呼ぶことがあります。日本では昔から、ある状況において信じられない力を人間が発揮する状態を表現する「火事場のばか力」という言葉があります。自分の家が燃えているという緊急時に、何十キロもある非常に大切なもの、普段なら持ち上げられないタンスなどを家の外まで運び出したといった逸話からきた言葉のようです。

最高の力、五輪など大舞台でいかに

 このような状況はスポーツ界でも多く語られ、スポーツ心理学で研究されてきました。ゾーン、フローと呼ばれる理想的な心理状態、ピークパフォーマンス状態をいかにしてつくり上げ、オリンピックなどの大舞台で最高の力を発揮させるかという試みがなされてきたのです。

 ゾーンには意図的に入ることができるといわれています。そのためには、以前に紹介したリラクセーションやサイキングアップを行うだけでなく、イメージ、目標設定、集中力、セルフトーク、プラス思考、またこの後に紹介する試合(本番)に対する心理的準備などが組み合わさり、総合的に作用する必要があります。簡単にいえば、メンタルトレーニングをすること自体が、ゾーンといわれる心理状態(火事場のばか力状態)に入るためのプログラムだということです。

 メンタルトレーニングの目的の一つは、スポーツ選手に最高のパフォーマンスを発揮してもらうことです。それには選手がどんな心理状態のときに最高のパフォーマンスを発揮するのか理解する必要があります。また一般の方々も、最高のパフォーマンスを発揮する心理面や、その強化や準備の方法を理解しておくことは、仕事・受験・試合などの本番で実力を発揮したいときに役立つものだと考えます。

 今回はゾーン、フローと呼ばれる「理想的な心理状態、ピークパフォーマンス状態、火事場のばか力」とはどのようなものか。そして、その状態で人間が最高の力を発揮するための方法を紹介しましょう。

火事場のばか力状態に入ると…

 ゾーンに入ると「楽しい、リラックス、気楽な気持ち、疲れない、時間の遅延を感じる、まわりの動きがスローモーションに感じる、相手の動きが読める、体が自然に動く、集中、強気、プラス思考、開き直り、自信、ほどよい緊張、結果を考えない、無意識、やる気、いけるという気持ち、いい心理状態」などを感じ、信じられないプレーができることを多くの選手が報告しています。

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