ソーシャルメディアの歩き方

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

「宣伝なし」が最大の宣伝、面白さ追求の企業メディア
ブロガー 藤代裕之

(1/2ページ)
2015/4/17 6:30
共有
保存
印刷
その他

 トヨタは「ドライブ」、資生堂は「美容」、伊勢丹は「ファッション」。会社概要や製品情報を紹介する従来のサイトとは異なり、仕事や生活に役立つ記事やニュースを発信する「オウンドメディア(企業自らが運営するメディア)」を立ち上げる企業が相次いでいる。感度の高い潜在顧客との接点をつくるための新しいマーケティング手法だ。その中でも、グループウエアのサイボウズが運営する「サイボウズ式」が注目を集めている。製品の売り込みはナシ。時には「炎上」するほどの型破りな記事で話題を集め、販促効果を高めている。

「サイボウズ式」のトップ画面
画像の拡大

「サイボウズ式」のトップ画面

■社会問題を提示する企業メディア

 サイボウズ式のメーンテーマは「オフィス内でのチームワーク構築」。取り上げる話題は働き方、漫画、食事、育児など幅広い。2014年末から15年にかけて「働くママたちに、よりそうことを。」と題した2本の動画をサイボウズ式のスタッフが中心となり、公開した。主役は子育て中の働く女性。仕事と育児を両立すべく、奮闘する母親の苦悩をリアルに描いた。公開直後から議論が巻き起こり、多数のブログが取り上げた。ソーシャルメディア上でも拡散し、1本目の78万回、2本目は16万回再生と「炎上」した。

 宣伝動画にありがちなサービス紹介やサービス名の連呼はない。最後に「サイボウズは応援します」という言葉が表示されるだけだ。サイボウズ式の藤村能光編集長は「私たちがやりたいのは問題解決ではなく問題提起。議論が起きることは大歓迎」と話す。少子化、働き方、家事、マタハラ(マタニティーハラスメント)からPTAまで、さまざまなテーマで課題を投げかけるのは、「世界中のチームワーク向上に貢献する」という同社の理念にもとづいたものだ。

 そのため編集方針も独自のものだ。「製品を売り込まない」「競合情報も面白ければOK」「サイボウズ批判もOK」の3つ。「サイボウズの企業姿勢を見せることが価値につながっている。企業の姿勢、目指したい世界が記事ににじみ出て、伝わっていく。だから、公明正大、嘘をつかないことに一番こだわっている」と藤村編集長は説明する。

サイボウズ本社。「働くママたちに、よりそうことを。」の動画を画面に表示していた
画像の拡大

サイボウズ本社。「働くママたちに、よりそうことを。」の動画を画面に表示していた

■売り上げ横ばいの打開策

 サイボウズ式がスタートしたのは12年5月。同社の売り上げは07年から40億円で頭打ちとなり販促方法を見直していたところだった。同社の販売戦略は、グループウエアの導入決定権を持つ企業や団体の情報システム部門を対象に広告やイベントでアピールするというもの。さらなる売り上げのためにはもっと多くの人に認知を拡大する必要があった。そこでのちに初代編集長となる大槻幸夫さんがオウンドメディアに目をつけた。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!

【PR】

ソーシャルメディアの歩き方 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

キュレーションサイトの不正問題について記者会見で謝罪する(右から)ディー・エヌ・エーの南場智子会長、守安功社長(7日午後、東京都渋谷区)

プラットフォームを「隠れみの」 DeNA大炎上の本質

 ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する医療キュレーション(まとめ)サイト「WELQ」に端を発した騒動は、他社が運営するサイトにも波及し、次々と記事削除が行われる底なしの様相を見せている。7日にはD…続き (2016/12/8)

JALが展示したタラップ車

ニコニコ超会議15万人 参加企業に「リアル」の洗礼

 歌やダンス、大相撲、飛行機のタラップ、車のメリーゴーラウンド――。ニコニコ動画を運営するドワンゴは4月25日から2日間、「ニコニコ超会議2015」を幕張メッセ(千葉市)で開催した。押し寄せた来場者は…続き (2015/5/15)

トヨタが運営する「GAZOO(ガズー)」

宣伝か有益な情報か 評価「紙一重」の企業メディア

 IT(情報技術)業界では、せきを切ったように同種の製品やサービスが次々と登場することがある。そんな「バブル」状態となっている最近の注目トピックが「オウンドメディア」だ。企業が独自のメディアを作り、記…続き (2015/5/1)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経産業新聞 ピックアップ2017年5月26日付

2017年5月26日付

・気になる商品、アプリで取り置き イポカが来店促進、交通インフラ企業と連携
・水素精製 実証大詰め 千代田化工、風力で水を電気分解
・ボッシュ日本法人、工場のIoT導入を倍増
・帝人、自動車向け複合材の拠点数 1.5倍に
・コニカミノルタ、X線画像の診断部鮮明に 新画像処理技術…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト