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イスラエルの技術取り込め 日本に協業のチャンス
榊原健太郎・サムライインキュベート社長

2015/1/8付
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 昨今、ビジネスにおける日本とイスラエルの距離が急速に近づき始めている。安倍晋三首相が今月中旬のイスラエル訪問を予定しており、昨年5月にはイスラエルのネタニヤフ首相が日本を訪問している。日本の大企業幹部が弊社イスラエル事務所を訪れる機会も増えている。イスラエルの最先端技術を模索し、交流を求め始めたのだろう。

74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業
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74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業

 もともと、日本人は自前主義で、多様性を受け入れるのが苦手とされる。江戸時代に鎖国を経験しているように、性質の異なる者が身近に存在することに対して、島国国家的な閉鎖性と抵抗感を持っている。

 イスラエルでは、ビジネス面での諸外国との交流への抵抗感が少ない。欧米やアジアなどからのヒト・モノ・カネをすんなり受け入れる企業がほとんどだ。生活面においても、国際結婚はごくごく普通のことだ。それゆえに、世界とつながりやすく、グローバルを目指すスタートアップが大半を占める。

 イスラエルの人口は800万人しかおらず、東京の人口1300万人と比べても少ない。国内市場だけでビジネスが成立しづらい事情がある。そのため、イスラエルのスタートアップは、最初から自分たちの技術を世界に展開することを意識している。

 そうした海外志向のイスラエルのスタートアップは、独自の技術を持つことが多い。実際に、グローバルに展開する海外のテクノロジー企業は、イスラエルで生まれた最先端技術を取り込み、主軸となる事業をブラッシュアップする企業が多く存在している。

 例えば、米グーグルはイスラエルのスマートフォン(スマホ)向けカーナビゲーションシステムソフトを手掛けるウェイズを買収して地図サービス「グーグルマップ」を強化しているし、米フェイスブックも顔認識テクノロジーのフェイス・ドット・コムを取り込むことでサービスを強化している。

 しかし、日本企業に関しては、圧倒的に少ない。テクノロジー分野では無視できない存在であるイスラエルとの交流がないままでは、世界に後れをとる可能性がある。

 現地に7カ月ほど滞在した実感は、イスラエルのスタートアップの日本企業とつながりたいという思いだ。日本はなんと言っても国内総生産(GDP)で世界3位を誇っており、日本の大企業の持つ世界への大きな販売チャネルや、製品の品質の高さは彼らにとっては非常に大きな魅力だ。私はイスラエル人が誇る「イノベーション力」と、日本人が誇る「オペレーション・インプルーブメント力」を掛け合わせることに、大きな意義を感じている。

 2014年10月には、日本の大手自動車メーカーとのハッカソンを、テルアビブの地で開催した。日本を代表するメーカーが真っ先にイスラエルの技術に目を向け始めた。これを皮切りに、日本企業のイスラエル進出はますます増えていきそうだ。

 また、テルアビブに位置する弊社コワーキングスペースであるサムライハウスでは、これまで20回近くイベントを開催している。イスラエルのスタートアップと交流していると、彼らから日本の大企業とつなげてほしいという相談を多く受けるようになってきている。

 現在、既に十数社のイスラエルベンチャーへの投資を決めていて、今年中にさらに30社ほどへ投資をしようと思っている。その中には、外出先で吸う空気を洗浄するウェアラブル端末や、ソーシャル上の会話の人工知能(AI)を開発しているスタートアップなどがいる。前者は空気清浄機を扱う家電メーカーなどが買うと面白いし、後者も携帯電話や自動車メーカーなどが買うと夢が広がりそうだ。

〔日経産業新聞2015年1月8日付〕


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