■石柱の製作にCNC加工機
礼拝所の内部空間に立ち並ぶ柱の接合部分は、優美な曲線を帯びた石材が表面に施されている。
いったい、この部材をどうやってつくったのかと考えていたら、地下博物館のモニター画面に上映されていたビデオでその秘密が分かった。柱の3Dモデルから、CNC加工機によって石材を切削していたのだった。
まず、3Dデザインソフトで部材の原型をつくる。そして回転体と思われる立体を、原型部材に少し食い込むように配置し、ブーリアン演算の「引き算」により、重なった部分をカットする。
そのデータをCNCの石材加工機用のドライバーソフトに読み込んで、石材を切削するカッターの動きをプログラミングし、実際に石材を切削する。
[左]CNC加工機による石材切削の手順。まず3Dデザインソフトで作成した柱の接続部分の原型モデルに回転体を食い込ませる
[右]ブーリアン演算で食い込んだ部分をカットする(資料:いずれもサグラダ・ファミリア地下博物館)
■ 世界で一番人気の工事現場
設計・施工にコンピューターが導入されただけではなく、正面入り口が設けられる南側の「栄光のファサード」などには、従来の石造りに代わって鉄筋コンクリートで造られている部分も目立つ。
3Dプリンターや3D設計ソフト、CNC加工機の導入とともに、構造部材に鉄筋コンクリートが多用されている現実は、時代の流れとはいえ、やや残念な気もした。その一方で、着工から現在まで、約130年が経過した工事現場として見ると、時の流れの重みを感じたりもする。
そこでは、当初の石積み構造からCNC加工による石材、鉄筋コンクリートなど、様々な工法や材料が混然一体となっている。早期に完成した部分は、既に経年劣化もかなり進み、施工中の部分との色彩にかなりの差が出ている。
サグラダ・ファミリアは、「世界で一番人気のある工事現場である」と言っても過言ではない。かつては資金不足のために建設作業が大幅に滞ったこともあったが、今は世界各国から数多くの観光客が、連日、長蛇の列をつくり、二千数百円の入場料を払って見学している。これらの観光収入は建設費に充てられる。潤沢な資金源が、工事の進ちょくを早めている一因である。
家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/。ツイッターやFacebookでも発言している。
[ケンプラッツ2014年9月3日付の記事を基に再構成]

![[左]CNC加工機による石材切削の手順。まず3Dデザインソフトで作成した柱の接続部分の原型モデルに回転体を食い込ませる
[右]ブーリアン演算で食い込んだ部分をカットする(資料:いずれもサグラダ・ファミリア地下博物館)](/content/pic/20141205/96958A9F889DE5EBEAEBE4E5E4E2E3EBE3E3E0E2E3E6E2E2E2E2E2E2-DSXZZO7989689019112014000000-PN1-20.jpg)
![[左]CNC加工機でカッターの動きをプログラミング
[右]CNC加工機による切削(資料:いずれもサグラダ・ファミリア地下博物館)](/content/pic/20141205/96958A9F889DE5EBEAEBE4E5E4E2E3EBE3E3E0E2E3E6E2E2E2E2E2E2-DSXZZO7989691019112014000000-PN1-20.jpg)
![[左]削り出された部材
[右]さらに滑らかな面に仕上げていく(資料:いずれもサグラダ・ファミリア地下博物館)](/content/pic/20141205/96958A9F889DE5EBEAEBE4E5E4E2E3EBE3E3E0E2E3E6E2E2E2E2E2E2-DSXZZO7989692019112014000000-PN1-20.jpg)
![[左]鉄筋コンクリート構造が目立つ「栄光のファサード」側
[右]鉄筋コンクリート構造のドーム(写真:いずれも家入龍太)](/content/pic/20141205/96958A9F889DE5EBEAEBE4E5E4E2E3EBE3E3E0E2E3E6E2E2E2E2E2E2-DSXZZO7989700019112014000000-PN1-20.jpg)
![[左]らせん階段の施工用と思われる黄色い型枠や部材も見えた
[右]一方、昔ながらの薄いレンガを並べて部材をつくる工法もいまだ健在(写真:いずれも家入龍太)](/content/pic/20141205/96958A9F889DE5EBEAEBE4E5E4E2E3EBE3E3E0E2E3E6E2E2E2E2E2E2-DSXZZO7989705019112014000000-PN1-20.jpg)








