私の財産これだけ 円満相続めざす目録づくり
初心者一家と学ぶ基本のキ

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2014/8/2付
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 ある週末、藤志郎は近所のショッピングセンターで「人生の終わりに備えよう」と題する無料セミナーが開かれているのを目にします。身辺整理をしたり相続を考えたりする「終活」のようです。冊子をもらい家に帰ると、鯛吉が利子らとお茶を飲んでいました。

大学で金融を勉強中の初野新衣紗(はじめの・にいさ=上)と父の藤志郎(とうしろう=中左)、利子(りこ=中右)、隣に住むファイナンシャルプランナー・税理士の有賀鯛吉(ありが・たいきち=下)

大学で金融を勉強中の初野新衣紗(はじめの・にいさ=上)と父の藤志郎(とうしろう=中左)、利子(りこ=中右)、隣に住むファイナンシャルプランナー・税理士の有賀鯛吉(ありが・たいきち=下)

 とうしろう 終活セミナーでこんな冊子をもらったんだけど、お墓に入る前に準備しておくことって、たくさんあるんだねえ。

 たいきち 「エンディングノート」ですね。自分が亡くなった後、残された家族が困ることがないよう、最低限の情報を整理して書いておくためのノートです。本屋の棚にもよく、空欄を埋めるだけで完成する書式のものが並んでいますよ。

 とうしろう 自分は50歳だからまだ早いけど、この冊子を見ていたら、いなかで暮らしているおやじの姿が目に浮かんできたよ。おやじは面倒くさがりだし、エンディングノートなんて書いていないだろうなあ……。

 たいきち 1冊のノートにまとめるかは別として、何を記録しておくべきかは、知っておいたほうがいいでしょうね。まず大切なのが、財産の内訳です。大げさに言えば、財産目録です。預金がどこの銀行にいくらあって、自宅以外にはどんな不動産があるのか、といった内容です。把握してないと誰に何をどれだけ渡すのか、相続について考えることもできません。

 とうしろう 財産ならおやじだって把握していると思うけどなあ……。

 たいきち 確かに、信託協会の調査によると、50歳以上の既婚者の約7割が、自分の財産の内訳を把握しているそうです。でも、財産を数多くの金融機関に分散させている場合など、漏れがあったり、誤って認識していたりすることもあります。アタマの中ではわかっていても、きちんと記録している人はそう多くはないでしょう。遺族にとって存在さえ分からない財産は、受け取ること自体、不可能です。

 にいさ 記録が残っていなくても、いざというときには調べればすむでしょ?

 たいきち そう簡単な話ではありませんよ。例えば預金にしても、通帳を発見できればいいですが、最近は通帳自体を発行しないケースが増えています。そうなると、銀行から定期的に送られてくる報告書が頼りですが、親と離れて暮らしていたのであれば、郵便受けをチェックするといった手間が大変です。しかも最近は、報告書をネット上で閲覧できるようにする代わり、紙での配布を減らす傾向も強まっています。

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