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「朝起きられぬ」病気に理解を 保護者らが冊子
思春期に多い起立性調節障害 「家・学校で支えて」

2017/8/11 2:00
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 思春期の子供が発症しやすい起立性調節障害(OD)への理解を深める活動が広がっている。目まいがし、朝なかなか起きられないなどの症状から「怠けている」と誤解されやすい。保護者らは対処法を記した冊子を学校に配ったり、ODの子供と親が悩みを分かち合う場をつくるなど工夫を凝らすが、社会的な認知度はまだ低い。専門家は「家庭と学校が一丸となった支援体制が必要だ」と指摘している。

起立性調節障害の子供を持つ親が悩みを共有する「Aliceの会」(7月、神戸市中央区)
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起立性調節障害の子供を持つ親が悩みを共有する「Aliceの会」(7月、神戸市中央区)

 「毎日ひどい風邪をひいているようだった」。大阪府東大阪市の高校2年の女子生徒(17)は小学4年のころ、立っているだけで目まいに襲われることが増え始めた。特に朝は頭痛でなかなか起き上がれない。授業にも集中できず、学校を休みがちになった。

 「学校に行きなさい」。親からは叱られ、担任教諭には「休んでばかりじゃ、あかん」と手を引かれて登校したこともあった。中学校進学時に病院でODと診断され、治療を続ける。女子生徒は「周囲からサボっていると思われるのがつらかった」と胸の内を明かす。

 ODは自律神経失調症の一つで、立った状態のときに脳や全身に血液が回りにくくなる。日本小児心身医学会(京都市)の推定では10~16歳の発症率が高く、軽症を含めると小学生の5%、中学生の10%に現れる。個人差はあるが、適度な運動や水分補給、血圧を上げる薬の服用などで症状は改善するという。

 ODの子供を持つ親らでつくる団体「起立性調節障害ピアネットAlice」(神戸市)の塩島玲子代表は「病気のことを知らない親や教師は多い」と指摘する。同団体が昨年、ODの子供ら約130人に実施したアンケートでは家族や教師、友人らに「がんばれ」「気の持ちようだ」「家で何しているの?」などと言われたときの苦悩を訴える声が多かった。

 学校の理解を広げようと、同団体は5月、ODの症状や対処法をまとめた約30ページの冊子を作り、各地の中学校約5千校に配った。塩島さんは「本人のペースで学校生活を送れるよう、『無理しないで』などと接し方に配慮してほしい」と訴える。

 大阪府八尾市の「起立性調節障害(OD)家族の会~Snow~」は2013年から、ODの子供や親の集まりを月1回開く。今年7月の会には最多の29人が参加し、「高校受験はどうしたらいいか」「病状がよくならず不安だ」といった悩みを互いに打ち明けた。

 参加希望者が増え、今春から同府豊中市でも集いの場を設けている。代表の星島久美さん(51)は「家庭に閉じこもらず、話を聞きに来てほしい」と呼びかける。

 「OD低血圧クリニック田中」(大阪市北区)の田中英高院長はODについて「まず診察を受けたうえで、子供が治療に前向きになれるよう家庭や学校で支えることが重要だ」と話している。

「立っていて気分悪い」「午前中に不調」下半身に血液たまり発症 学会がチェックリスト

 朝起きられない子供が一定割合でいることは医師らには以前から知られていた。不登校児にこうした症状がよくみられたため、ODではなく、ストレスなどが原因の「心の病」と診断されることが多かった。

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 日本小児心身医学会は2006年、小児科医向けのガイドラインを作成した。ODの子供は下半身に血液がたまり、だるさや目まい、頭痛などの症状が現れるため、横になった状態から立ち上がった際の血圧の変化を調べて判定している。

 一般向けに主な症状をまとめたチェックリストも作った。「立っていると気持ちが悪くなる」「朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い」など計11項目あり、3つ以上当てはまる場合は小児科の受診を推奨している。

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