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六鹿健治氏、相場は売りにあり
市場経済研究所代表 鍋島高明

2017/8/12 5:30
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 戦後の兜町で若手2世経営者のグループ、三和会は日東証券の土屋陽三郎がリーダーを務める。長尾貫一(丸三証券)、村井啓三郎(三重証券)、山崎富治(山種証券)、安藤康次郎(安藤証券)……総勢20人で、六鹿証券の六鹿健治も三和会に属し、「派閥争いとボスのいない兜町へ」をスローガンに掲げて気炎を上げていた。当時の六鹿の地場評は上々のようである。

 「六鹿証券は堅実一点張りで名を売っており、顧客を大事にし、あくまで客本位のサービスで好評を得ている。この店の客は投資一切の研究を店と共に進め、客と店とが一体となっている感じがある。店の投資指針は社長を中心とする会社の幹部で決めるが、この指針に基づいて客の相談に親身になって乗っている」(池田充之著「現代少壮事業家列伝」)

 六鹿みずからが司令塔役を務め、店と客が一体になって進退を共にするとは、当時珍しい戦略だったに違いにない。六鹿は「株式投資は買いにあらずして売りにあり。売ることのうまさが万事を成功に導く」とし、こう述べている。

 「閑散に売りなしと言いたい。値には必ずもちあいという状態がある。株には特に安値もちあいということがある。こういう時は突発的な事件でも起こらぬ限りしばらくもちあい状態が続く。株価が下落に下落を重ね、鎮静状態に入っている時である。出来高も減少し、どんな強い材料も受け付けず、逆に弱い材料も大して影響を与えないような時である」

 「安値もちあい」の時、こつこつと株を集めるのが六鹿流。野田経済研究所の加田泰企画部長の取材にこう答える。

 「株式の相場表からまず値の高いものを拾ってみる。相場が萎縮している時は、特に値の高い株は会社内容だけでなく、浮動株の少ないこと、株主層が優秀であること、株主が固定していることなどを表しているから株を選択するうえで安値もちあい時の値がさ株は投資対象として安全であろう」

 そして売る時はどうするか。六鹿は「欲望の制限」を強調する。平たくいえば腹八分目でほこを収める作戦である。(1)買った時より5割以上上がった時は一応売る(2)証券業界の繁忙が続く時は売り(3)強材料に慢性になった時は売り時――という。

 戦後の大買い占め事件として耳目を集めた横井英樹による白木屋株買い占めの時、六鹿の名が急浮上した。横井が六鹿の店を積極的に使うからだ。この時、六鹿は横井の真意を知ると、敢然として横井の注文を断った。これにはわけがある。

 「朝日生命が白木屋問題に対して中立、ないし白木屋側であり、六鹿としては古くから関係の深い朝日生命に義理立てしなければならぬと考えたからである。彼が信用と徳義を何よりも尊ぶ商人道の1つの具体的な現れである」(現代少壮事業家列伝)

 当時、「六鹿チェーン」という言葉があった。健治の実弟正彦が経営する京都の六鹿商店を傘下に収めて活動が一番盛んな時期だったが、昭和44年東京証券と合併、六鹿の名は消える。=敬称略

信条
・他人の勧誘は参考にとどめ、自分の好きな事業なり、特に興味を引かれる事業を買う
・銘柄を多く持たない。1つに打ち込むか、3、4の銘柄に限定したい
・利食い千人力

( ろくしか けんじ 生没年不詳 )
 京都府出身、同志社中学から三高へ進み、昭和6年京大経済学部卒、父六鹿清治が経営する株式仲買高山商店に入社。先代は京都山科で醤油醸造業で大いに成功、のち証券界に進出、健治は株屋の勉強のかたわら、六鹿商店、醤油アミノ酸製造などの重役を兼ねていた。同18年高山商店社長、同22年六鹿証券と商号を変更、同33年坂口観蔵に社長を譲り、会長に就任。
(写真は六鹿証券の広告、「経済展望」昭和22年11月号掲載)

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