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国内競走馬流通に革命 セレクトセールの20年

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2017/7/15 6:30
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 1998年7月13日、北海道苫小牧市のノーザンホースパーク。普段は屋内乗馬施設として使われる屋根付きの空間に、鑑定人の声とハンマーの音が響いた。国内競走馬流通に革命を起こした「セレクトセール」(日本競走馬協会主催)の開幕である。最初の上場馬は、父サンデーサイレンス、母ウェイブウィンドの生後約5カ月の牡馬。4200万円(税抜き、以下同)で落札したのは、後にキングカメハメハやディープインパクトを落札した金子真人氏。市場の将来を暗示する結果だった。

「イルーシヴウェーヴの2017」は国内セリ歴代2位の5億8千万円で落札

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 19年を経た7月10、11の両日、同じ会場で20回目のセレクトセールが行われた。第1回は2日間で当歳(0歳)183頭、1歳47頭の計230頭が上場され、落札総額48億5100万円を記録。この数字は競馬関係者を驚かせたが、今年の売却総額は初回の約3.6倍の173億2700万円。上場数が462頭(当歳220、1歳242)と約2倍だったとはいえ、総額、平均売却価格とも、名実ともに世界最大の市場となった。「お化け市場」の歴史は、日本の競馬に何をもたらしたか。

終わらぬ競り合い、初日9時間

 1歳馬242頭が上場された10日。セリの進行は遅れに遅れた。大半の馬に声がかかり、競り合いになったからだ。午後5時すぎにも60頭ほどが残り、主催者側の指示のためか、鑑定人が急に早口になった。2時間足らずで残った馬をさばき、競馬専門局の生中継が終了直前の6時57分ごろ、やっと日程を終えた。終盤まで90%を超えた売却率は最終的に89.3%。平均価格も約3997万円で、どちらも1歳部門史上最高だった。

 220頭が登場した当歳部門も、勢いは続いた。人間でいえば乳幼児で、判断材料が血統以外は皆無に近い当歳の市場は、諸外国では珍しい。セレクトセールでも近年は1歳より売却率が低いことが多かったが、今回は違った。売れない馬は少なく、86.4%と史上最高。1億円に届いた馬が昨年の9頭から17頭に急増し、平均価格も約4575万円。1日の市場の平均価格が4000万円を超えたのは、20年の歴史で初めてだった。

G1馬37頭を輩出

 なぜ、売れるのか。今年のセリ名簿には、市場出身の歴代G1勝ち馬の写真が21ページも続く。中央競馬の平地G1優勝馬36頭に、障害や海外、地方のG1級の優勝馬も含めて41頭が並ぶ。名簿完成後に1頭が新たにG1を勝ち、中央の平地G1馬は37頭に。中央、地方、海外合計で重賞378勝。中央の平地が309勝で、うちG1は58勝。海外重賞11勝でG1は5つ。海外バイヤーの購入馬による重賞勝利も4つあった。

 中央と海外でG1を勝った計38頭の生産者を見ると、過半数の22頭をノーザンファームが占め、社台ファームが5頭。社台グループの他の2牧場も3頭で、日高地区は8頭。日本の競馬界で独り勝ちを続ける社台グループ、特にノーザンファームの高資質馬が集まるというブランド価値が、市場の業績の原動力だ。しかも、近年はセール組に限らず、海外での日本馬のG1勝ちは珍しくなくなり、海外の買い手をも引き寄せる。今回は1億円クラスの購入こそなかったが、12頭が落札された。

 取引馬の活躍に支えられて、20回の累積の売却額は1856億8375万円。総売却頭数は1歳2118、当歳3787の計5095頭となった。来年には売却額2000億円、頭数6000頭の声が聞かれそうだ。

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