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ドラギ発言、イールドカーブ正常化の兆しか

2017/6/28 10:21
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 「不景気の不気味な前兆」とされるイールドカーブ(利回り曲線)の平たん化現象が市場で話題になっている。しかし、昨日は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の来年にも量的緩和を縮小する可能性を示唆する発言により、イールドカーブが若干ながらも立ってきた。欧州国債が軒並み買われ、さらに米国債買いまで誘発したからだ。米10年債利回りは2.15%台から2.20%台まで上昇している。これは示唆的だ。

 そもそも長短金利の縮小現象は、米連邦準備理事会(FRB)が利上げにより短期金利を引き上げてもマーケットが長期金利を押し下げるために生じた。米国債買いについては、FRBが利上げしてもECBと日銀が量的緩和を続けている結果、余剰マネーが少しでも高い利回りを求めて米国債に流入していることが一因とされた。そこにECBも量的緩和縮小となれば、いよいよドル長期金利にも上昇圧力がかかり、イールドカーブも徐々に立ってゆくことが想定できる。次はいよいよ日銀も出口模索か、との声は欧米市場でも頻繁に聞かれる。

 その他にも利回り曲線平たん化の理由として、中国が米国債購入を増やしていることが指摘される。この件については、本欄6月16日付「米国債保有減らすFRB,増やす中国」を参照されたい。

 さらに、インフレ期待が高まらないことが長期金利低迷の主因ともいわれる。

 ここでは市場間で見解の違いが鮮明だ。債券市場は悲観論で育ち、株式市場は楽観論で育つ。

 債券市場は経済の長期低迷論を重視して、イールドカーブ平たん化の長期化を視野に入れる傾向がある。対照的に株式市場では、好調な企業業績に注目していずれイールドカーブは立ってゆくとの見解が目立つ。昨日はオバマケア代替案の議会採決が米独立記念日(7月4日)休暇以降に持ち越されたことで、市場が期待する大型減税など財政政策はますます後回しになった。しかし、株式市場にはトランプ政権の政策期待が根強く残る。満額回答には至らずとも、いずれ財政出動がドル長期金利を押し上げると見ているわけだ。

 イールドカーブが立ってくればドル高・円安要因となるので、日本株上昇要因ともなるので気になるところだ。

 果たして債券市場が正しいのか、株式市場が正しいのか。答えは夏休み明けになりそうな様相だ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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