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米博物館でいつでもVR体験 グーグルやアドビが支援

2017/6/21 6:30
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 VR(仮想現実)やMR(ミクスドリアリティー=複合現実感)をテーマにした新しい常設展示「Reboot Reality」がカリフォルニア州サンノゼ市の科学技術博物館「テック・ミュージアム・オブ・イノベーション」にこのほど登場した。

■最新技術を活用した機器を実際に試せる

新しい展示「リブート・リアリティー」では最新のVR技術が体験できる
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新しい展示「リブート・リアリティー」では最新のVR技術が体験できる

 同展示には米グーグルや米アドビシステムズ、米フェイスブック、スタンフォード大学などが技術提供で協力。訪問者はシリコンバレーで開発されたVR、MRの最新技術を活用した機器を実際に試してみることができる。

 協力企業の一社であるアドビはこの展示で開発中の技術「ウエットブラシ」を披露している。

 ウエットブラシは、圧力の強弱を感知するタブレット上でスタイラス(操作ペン)を使って油絵のような質感の絵を画面上に描き出すことができる。スタイラスの動きや加える圧力に応じてブラシのストロークなど油絵の特徴的な凹凸を再現する。光の加減で生じるテカりも表現。描いた絵のうえに異なる色をのせ、画面上で色を混ぜ合わせることもできる。

 アドビの先端技術研究機関「アドビ・リサーチ」で同技術の開発に携わった伊藤大地氏は「これまでのデジタルペインティングツールでは難しかった、油絵特有の表現が簡単にできるようになる」と説明する。できあがる絵自体はもちろん、その人の「絵心」に応じた仕上がり。とはいえ、ブラシの色を変えてもしばらくは前の色が出てくるなど現実感の強い作りになっており、子供も大人も夢中になりそうなツールだ。

 デジタルの絵画ツールは便利で優れた面も多いが、ちょっとした失敗から生まれる新たな表現といった、アナログの世界では普通に起こることが起こりにくい。デジタルツールに移行するなかで失われたものをデジタル上で再構築してみることがこの技術の出発点、とアドビ・リサーチの主席科学者のネイサン・カー氏は語る。製品化されていない最新技術を博物館で公開することにした狙いについて、カー氏は「地域コミュニティーに貢献できるだけでなく、研究者も自分の開発した技術を実際にユーザーがどのような使い方をするのかを観察する良い機会にもなる」と説明する。

開発中の新技術「ウエットブラシ」で絵を描く米アドビシステムズの伊藤大地氏
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開発中の新技術「ウエットブラシ」で絵を描く米アドビシステムズの伊藤大地氏

 空飛ぶ鳥となってニューヨーク・マンハッタンの上空からの景色を眺める体験ができるVR装置「バードリー」も展示の目玉の一つ。VRゴーグルを装着して専用の台に顔を下に向けて乗り、鳥の翼の役目を果たす板を腕で動かすことで操縦、高層ビルの間などを自由に飛び回る。翼を動かして羽ばたけば速く進み、急降下や急上昇などもできる。

 そのほかにも、グーグルの3次元空間にバーチャルに絵が描ける「ティルト・ブラシ」、フェイスブック傘下のオキュラスによるVRの空間上で手を動かして粘土の造形ができる「ミディアム」など、来訪者の創作意欲を刺激するような没入型ツールがそろう。

 展示設計を統括するディレクターのプリンダ・ワナクール氏は「VRやMRなどの技術は、人々の生活や仕事、学習のやり方まで変える可能性がある。最新技術に触れることで、これまでとは異なる問題解決方法もあると気がつける、そんな場を提供したい」と新展示について説明する。

 テック・ミュージアムはサンノゼ市や周辺企業による寄付金で1990年に設立された。体験型の展示物も多く、訪れる多くの人に科学技術のおもしろさを教えてくれる。

 昨年はバイオエンジニアリングや合成生物学といった最新の生物学を学べる「バイオデザイン・スタジオ」の展示を開設。一昨年はサイバーセキュリティーをテーマにした展示を設置した。その前はヘルスケア関連にソーシャル・ロボット、と次々と新技術が登場するシリコンバレーの産業の動きに呼応するように、テック・ミュージアムでは展示内容を新しくしている。

 「昔は一度展示すれば10年同じでも良かっただろうけど、今は数年で展示内容を変えるようにしている。シリコンバレーの技術を追いかけるのも大変」とワナクール氏は笑う。

(シリコンバレー=藤田満美子)


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