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英米トップのW辞任を望む市場

2017/6/12 11:32
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 金融市場で英ポンドへの売り圧力が強まっている。先週の英総選挙でメイ首相率いる与党保守党が過半数を割り込んだにもかかわらず、同首相は続投を表明。これを受けポンドが一段と下げる局面もあった。市場が、欧州連合(EU)単一市場からの撤退を掲げる保守党の政策に不安を感じている様子が改めてあらわになった。

 EU側も容赦はない。単一市場へのアクセスを維持したままEUを離れる「穏当離脱」などは受け入れられないからだ。英国内の混乱は「離脱する国の厳しい宿命」を見せつけ、離脱ドミノを封じる格好の事例となる。

 混乱しているのは、米国も同じだ。米ニューヨーク証券取引所のフロアで市場関係者と意見交換して実感したのは、市場が「ロシアゲート問題→トランプ大統領弾劾あるいは辞任→ペンス大統領就任」というシナリオを好感していることだ。

 このシナリオは実現可能性こそ低いとはいえ、トランプ氏の予測できない言動は結局、投資家の「アニマル・スピリッツ(血気)」を萎えさせてしまった。低水準で推移するVIX(恐怖指数)が映しているのは、市場の楽観というよりも売買意欲の低下だろう。仮にペンス氏が大統領になれば「まともな政治」に戻り、ビジネスに適した環境への転換が期待できそうだ。

 取引所のフロアで円相場に話を向けると、「safe haven currency」という言い回しが頻繁に飛び出す。円が米金融市場の最前線で「嵐の荒波から避難する港」として定着しているのを改めて痛感した。日本語では「安全通貨」と表現されるが、相対的に安全と見做される「避難通貨」というニュアンスのほうが強い。

 北朝鮮問題に関して市場関係者の切迫感は感じられなかった。旧知のトレーダー数人は「カール・ビンソン」が何であるか知らなかった。日本では無敵艦としてテレビのワイドショーでも扱われ、主婦層にまで認知され始めている固有名詞である。北朝鮮の標的が米軍基地ということも、「なるほど」と今さらのような反応があるほどだ。

 そういえば、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のジリアン・テット女史も訪日した際、日本人個人の北朝鮮ミサイル着弾対策に驚き、米国民が如何に無関心であるかをコラムに書いていた。

 NYと東京の市場では、同じ事象でもとらえ方には相当な温度差があるようだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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