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低金利下で日本株は買われるか

2017/6/1 11:46
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 米ドル金利が上がらない。

 5月31日のニューヨーク(NY)市場では10年債利回りが一時2.2%の大台を割り込み、今年に入ってからの最低水準に接近している。

 3月利上げ直後には「壁」とされた2.6%の大台を試す勢いだったが、後が続かなかった。

 失業率は4.4%まで下がりほぼ完全雇用に近い状況で、市場が見込む6月利上げの確率も9割を超える。それでも金利が上がるどころか、低下傾向にある。年内には始まるとされる米連邦準備理事会(FRB)によるバランスシート縮小政策も、市場にショックを与えないよう極めて慎重に導入されるであろう点が注目され、当座のドル長期金利の押し上げ効果は限定的とみられる。

 FRBがインフレ目標としている個人消費支出(PCE)価格指数は4月分が前年比で1.7%増。コアで1.5%増。目標の2%に近づいているとはいえ、足踏み状態にも見える。

 31日発表されたベージュブックでも、物価上昇についての言及は「緩やかで、変わらず」との表現であった。「いよいよ目標接近!」というモメンタム(勢い)が伝わってこない。

 この低金利シンドロームの根源的理由について様々な議論が交わされるが、なお特定できていない。FRBが利上げに誘導しても長期金利が上がらない状況をグリーンスパン元FRB議長は「謎」と表現したが、イエレン現議長の時代になって、この「謎」が再浮上している。市場にはこの長年の「謎」を解明するアカデミックな議論の結論を待っている忍耐力はない。

 そもそもトランプ大統領の大型減税とインフラ投資の財政政策が金利を押し上げるシナリオだったのだが、その実現性はいまや闇の中である。

 地政学的リスクも安全資産としての米国債へのマネー流入を加速させている。特に米国による大陸間弾道ミサイル(ICBM)迎撃を目的とするミサイル実験の「イメージ映像」が米国メディアに流れ、北朝鮮リスクがやっとNY市場でも切迫感を持って認識されるようになった。

 英国総選挙もここにきてマンチェスター・テロという突発的要因により、メイ首相率いる保守党が過半数を獲得できるか、不透明な情勢になってきた。欧州連合(EU)離脱を問う英国民投票から1年ほどたって、再び市場は英国発の「まさか」に身構えている。

 米国債と同じく安全資産とされる金の価格が31日には1トロイオンス10ドルほど急騰して、当面のレンジの上値抵抗線とみられた1270ドル台を突破した。

 恐怖指数といわれるVIXは依然10台の低水準にあるが、市場の過度な楽観が徐々に懸念材料として受け止められている。楽観が裏切られたときの市場の動揺が危惧されているのだ。

 そのような市場環境の中で今夜は重要なISM景況感指数が発表され、あすはいよいよ雇用統計発表と続く。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前で最後の雇用統計発表だ。時差の関係で世界に先駆け6月相場入りした日本市場は、株高で始まった。さっそく、きょう、あすにもその持続性が試される展開だ。

 筆者は来週のNY出張で、ヘッジファンドや年金関係者たちの私的勉強会において日本株についてのレクチャーを依頼されている。高値警戒感が強い米国株、新たな不透明要因を抱える欧州株から日本株へシフトする「国際分散運用」の兆しを実感している。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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