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折り鶴を再び 平和つなぐ オバマ氏 広島訪問1年 再生紙に加工、思い託す

2017/5/27 14:52
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 広島市の平和記念公園にある「原爆の子の像」にささげられた折り鶴を再生紙にし、子供らに再び鶴を折ってもらう取り組みが始まった。地元企業が中心となり、折り鶴に託された思いを受け継ぐ仕組みとして考案した。米国のオバマ前大統領が昨年の来訪時に自作品を寄贈し、注目された折り鶴。歴史的な瞬間から27日で丸1年となり、関係者は「平和への祈りをリレーしたい」と誓う。

折り鶴から作った再生紙を修学旅行生に提供している高丸さん(広島市)
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折り鶴から作った再生紙を修学旅行生に提供している高丸さん(広島市)

 5月中旬の平和記念公園。原爆の子の像の近くにあるガラス張りのケースに、修学旅行で訪れた小中学生らが千羽鶴を掛けていく。「この折り鶴もいつかは再生したい」。傍らで紙器販売「トモエ」(同市)の会長、高丸晃さん(74)が温かいまなざしで見つめた。

 像のモデルとなった佐々木禎子さんは被爆後、12歳で亡くなる直前まで病気の回復を祈って鶴を折った。心を打たれた国内外の人々から贈られるようになった折り鶴は年間約1千万羽に及び、市は公共施設で大切に保管してきた。

 しかし、紙は傷みやすく腐敗しやすい。保存場所にも限りがある中、市は「モノを残すのではなく、平和への思いを残そう」と発想を転換し、2012年から折り鶴の再利用を希望する企業に提供し始めた。

 被爆者の高丸さんは協力者の一人。大手の印刷企業などと協力し、折り鶴を混ぜ込んだ再生紙を折り紙に加工する案を考えた。オバマ氏の訪問から2カ月後の昨年7月に制作を始め、購入した中学校や高校の生徒らが計約1万8千羽を再び原爆の子の像にささげた。

 オバマ氏は昨年5月の広島訪問時、自らの手で折った4羽の折り鶴を持参。うち2羽は広島平和記念資料館(原爆資料館、同市)に展示され、外国人も含め多くの人が足を止める。「オバマ氏の訪問に心を強く動かされた」と振り返る高丸さんは「広島の折り鶴は世界平和の象徴になった」と力を込める。

 被爆者の高齢化は進み、戦争を知らない世代も増え続けるが、広島には忘れてはならない記憶がある。「戦争の悲惨さや平和の大切さを語り継ぐためにも、折り鶴再生の取り組みを全国に広げていかなければならない」。高丸さんの強い願いだ。

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