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9日発表、新型アマゾンエコーが画面を搭載した狙い

2017/5/11 6:30
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 2017年はすでに人工知能(AI)を使って音声で家電を操作する「ボイスコンピューティング」が一般化した年として、歴史に刻まれつつある。

米アマゾン・ドット・コムが5月9日(現地時間)に発表した音声アシスタント端末「エコー・ショー」=アマゾン
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米アマゾン・ドット・コムが5月9日(現地時間)に発表した音声アシスタント端末「エコー・ショー」=アマゾン

 先頭を走るのは米アマゾン・ドット・コムだ。同社は音声アシスタント端末「アマゾンエコー」と「アマゾンエコードット」をわずか2年で800万台以上売り上げ、プラットフォーム「アマゾン・ボイス・サービス(AVS)」をテコに冷蔵庫や踊るロボット、米フォード・モーターのピックアップトラック「F150」(40年間にわたり米国で最も売れている車)などあらゆるモノに音声アシスタント「アレクサ」を搭載している。

■音声アシスタント端末、出荷台数は2500万台突破間近

 米グーグルの「グーグルホーム」など他の音声アシスタント端末や、米アップルの音声アシスタント「シリ」搭載の端末が発売される見通しも併せて考えると、今年の音声アシスタント端末の出荷台数が2500万台を突破するのも不可能ではない。この成長ぶりにもかかわらず、ボイスコンピューティングはすでに利用者の維持と発掘という核心的な問題が生じている。米ボイスラボの調査によると、新たなスキルや機能を2週間後には使わなくなった利用者は97%を占め、アレクサの1万種類に上るスキルのうち、複数の口コミがあるのは3分の1に満たない。これはボイスコンピューティングが役立たずだからではない。音声は迫り来る「アンビエントコンピューティング」革命の一端にすぎないからだ。

 「アンビエントコンピューティング」とは、スマートフォン(スマホ)やコンピューターなどの機器を介さず、住宅など場所そのものがその場にいる人と直接アクセスできる状態を指す。キッチンでアレクサに音楽をかけたり照明をつけたりするよう頼んだことがあれば、アンビエントコンピューティングを利用したことになる(ちなみに、この2つはアレクサの最も一般的な利用法であり、共にアレクサへのリクエスト全体の30%以上を占める)。部屋から出る際にモーションセンサー付きの照明を消させたり、ウォールキーパッドを使って自宅のセキュリティーシステムを装備したりしたことがあれば、やはりアンビエントコンピューティングを利用したことになる。ボイスコンピューティングは周囲の環境と直接やりとりできる多くの手段の一つにすぎない。

 ボイスコンピューティングは、天気予報など何を求めるかが明確な場合の直接的なやりとりには向いているが、数あるオプションからの選択や情報のチェック、どんな可能性があり得るかを見つけるなど他のタイプのやりとりには向いていない。このため、汎用のアンビエントコンピューティング端末には適切な用途や消費者の好みに応じたさまざまなインターフェースが必要になる。

 そこで疑問が生じる。アンビエントコンピューティングのさまざまな能力を考えると、どのインターフェースが最も使われるのだろうか。当社(スマートホーム機器を手掛ける米ブリリアント)では最近、スマートホームのコントロールパネル「ブリリアントコントロール」の予備試験を実施した。音声サービスのスイッチが入った状態で家庭での数千回のやり取りを分析した結果、音声が使われたのは14%、指によるタッチが81%、動作が約5%となった。

 なぜタッチが最も使われたのか。理由は3つある。1つ目は簡単だからだ。部屋に入る際には指で照明のスイッチを入れる方がいまだに簡単だ。2つ目はその選択能力だ。曲名、プレイリスト、アーティスト名などの選択肢から選ぶ場合には、画面を使う方がはるかに自然だからだ。3つ目はすぐに反応がある点だ。照明の明るさや音楽の音量を調整するには、適切なレベルが見つかるまで指示を出し続けるよりも、指をスライドした方がずっと早い。

 だからといってボイスコンピューティングの役目が終わったわけではない。現に、家庭でのボイスコンピューティングの利用が全体的に増えたのは、アレクサがいろんな部屋に置かれるようになっているからだ。ボイスコンピューティングは今後家庭で重要な役割を担うものの、これ自体が完全な解決策というわけではない。

 次世代のアマゾンエコーにディスプレーが搭載されれば、音声だけの場合よりもはるかに広範にやり取りできる有能なインターフェースが提供される(編集部注:米アマゾン・ドット・コムは現地時間5月9日、タッチ操作対応画面を搭載した「エコー・ショー」を発表)。そうすれば音声アシスタント端末が抱えている利用者の発掘と維持という問題を克服し、アマゾンはトップの座を固めることができる。同社は先日、エコーに「ディスプレーカード」を導入すると発表した。音声コマンドに視覚データで答える機能をAVSのパートナー企業に提供することで、この方向に進んでいることを示した。

 アレクサとAIを使ったカメラを組み合わせ、何を着ればよいかを一緒に選んでくれる「アマゾンエコールック」は、アマゾンの実行力を証明している。アマゾンがエコーを音声、ディスプレー、タッチ、視覚効果に対応させれば、かなり面白い(しかも一見単純そうな)交流が生じるだろう。これはアンビエントコンピューティングを全く新しい段階に引き上げ、アレクサをまさに「家庭でおなじみの」存在にする。

 18年には半数以上の家庭でスマートホーム製品が導入される見通しだ。アンビエントコンピューティングが完全に実現すれば、スマホの利用や音声だけのやりとりといったダサい手段に頼ることなく、楽しく快適に自宅と交流できる。アマゾンのような大手だけでなく、当社などAVSを活用している企業の製品でもこうした光景が見られるだろう。

 グーグルとアップルもプラットフォームをサードパーティーに公開するようになれば、アンビエントコンピューティングが導入されていない家は驚くほど急に時代遅れでがっかりするように感じるだろう。携帯電話は発売からわずか8年で、単なる電話・メール機器から数十億人の暮らしをシンプルにしてくれる手放せない相棒になった。アンビエントコンピューティングはすでに次の大きなうねりになりつつある。

By Aaron Emigh(米ブリリアント最高経営責任者兼共同創業者)

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)


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