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任天堂Switch分解、3万円なのに「推定原価250ドル」
柏尾南壮 フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ ディレクター

(1/3ページ)
2017/4/28 6:30
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日経テクノロジーオンライン

 任天堂が2017年3月3日に発売した新型ゲーム機「Nintendo Switch」(価格は税別で2万9980円、米国では299.99ドル)。一新された形状、先進的な電源環境、将来の拡張性など、多くの魅力と可能性を秘めた意欲作だ。著者と付き合いのある部品メーカーは、2018年までの累計販売台数を「およそ3000万台」と予想する。今回は、このSwitchの内部に迫る。

Nintendo Switch本体部分の外観。タブレットのような形状をしている。両側にコントローラー「ジョイコン」を装着すると、先代の「Wii U GamePad」のようになる
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Nintendo Switch本体部分の外観。タブレットのような形状をしている。両側にコントローラー「ジョイコン」を装着すると、先代の「Wii U GamePad」のようになる

 Switchの本体は、箱に入ったタブレット端末のような形状をしている。箱にあたる部分が「ドック」だ。ドックから取り出した本体の重量は、着脱可能な専用コントローラー「ジョイコン」を2個取り付けた状態で約398グラム弱、外した状態で約297グラム、厚さは13.9mmだ。先代の「Wii U」の画面付きコントローラー「Wii U GamePad」の重量500グラム、厚さ4cm以上に比べて、大幅に軽く・薄くなった。

 タッチパネルもWii Uの抵抗膜方式から、スマートフォン(スマホ)で広く使われている薄型化に適した静電容量方式となった。それでもiPadなど本物のタブレット端末に比べると少々厚い。

 これには、2つの理由が考えられる。1つは、「USB Type-C」のソケットやゲームカセットを入れるスロットがあること。もう1つはメインプロセッサーである米NVIDIA(エヌビディア)製チップの熱対策として、銅の熱伝導パイプと冷却ファンを搭載することだ。NVIDIAのチップは優れたグラフィックス性能を持つが、それと引き換えに熱放出量が大きいことで知られている。

本体両側にジョイコンを装着したところ
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本体両側にジョイコンを装着したところ

本体部分を分解したところ。構造はタブレットに類似している。厚みが増した理由の1つは放熱ファンの搭載
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本体部分を分解したところ。構造はタブレットに類似している。厚みが増した理由の1つは放熱ファンの搭載

■USBでの電力供給や充電でロームのICが活躍

 USB Type-Cが登場して数年が経過した。USB Type-Cは開口部の大きさを既存のMicro-Bコネクター並みに小さくしながら、最大データ伝送速度10Gビット/秒のUSB 3.1、さらに大容量の電力を供給する「USB Power Delivery(USB PD)」に対応する。

 Switchは、このUSB PDで最大100W(20V/5A)までの受給電を可能にする次世代電源を備える。主要な役割を果たすのは本体のメイン基板に搭載された、ロームの電力受給電コントローラーIC「BM92T36」だ。

 ロームのプレスリリースによると、BM92T36はUSB Type-Cの受給電力を、従来の3V/7.5Wから5V/100Wにまで引き上げる。これでノートパソコンやタブレット端末にもUSB Type-C経由で充電可能になった。現在のノートパソコンはメーカーごとに電源端子の形状が様々だが、今後はUSB Type-Cのソケットに統一されていくかもしれない。

 このほか、BM92T36はUSBの通信信号線に電力と映像信号を同時に流す「Alternate-Mode制御」にも対応している。この機能を使えば、RGBなどの映像ポートを別途搭載しなくても、充電しながらプロジェクターに接続できるようになるという。

本体メイン基板(PCB#1)のバッテリー側。プロセッサーはNVIDIAのカスタム製品と見られる。同社のプロセッサーは優れたグラフィックス性能を持つが放熱量が大きい傾向がある
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本体メイン基板(PCB#1)のバッテリー側。プロセッサーはNVIDIAのカスタム製品と見られる。同社のプロセッサーは優れたグラフィックス性能を持つが放熱量が大きい傾向がある

本体メイン基板(PCB#1)のディスプレー側。下側の大型ICの詳細は不明だが、その裏側にゲームカセットを装着するスロットに接続するコネクターがある。このため、ゲームソフトの認証やゲーム記録の保存を担当している可能性がある
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本体メイン基板(PCB#1)のディスプレー側。下側の大型ICの詳細は不明だが、その裏側にゲームカセットを装着するスロットに接続するコネクターがある。このため、ゲームソフトの認証やゲーム記録の保存を担当している可能性がある


ゲームカードスロットを搭載する本体サブ基板(PCB#2)。ゲームソフトは、カセットを購入するかオンラインショップでダウンロードして入手する
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ゲームカードスロットを搭載する本体サブ基板(PCB#2)。ゲームソフトは、カセットを購入するかオンラインショップでダウンロードして入手する

フラッシュメモリーを搭載する本体サブ基板(PCB#3)。ダウンロードしたゲームは32Gバイトのフラッシュメモリーに保存される
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フラッシュメモリーを搭載する本体サブ基板(PCB#3)。ダウンロードしたゲームは32Gバイトのフラッシュメモリーに保存される


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