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ミセス・ワタナベの存在感高める英EU離脱

2017/3/30 10:52
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 国際決済銀行(BIS)が3年に1度発表する「世界外為市場調査リポート」には国別の外為取引量推移が示されているのだが、アジア市場の急速な成長傾向と、英国市場の頭打ちが鮮明である。(以下の数字の単位は10億ドル、一日平均の取引量)

 まず英国だが、1995年の266から2007年には1483、さらに2013年には2726と急増したものの、2016年には既に2406と減少に転じている。それでも世界全体の取引量6514の中では、ダントツである。NY市場も266(1995年)から1263(2013年)と急成長を遂げたが、ロンドン市場には及ばない。2016年には1272と横ばいになっている。

 一方、成長目覚ましいのは香港、シンガポール、日本のアジア市場だ。

 シンガポール市場は107(1995年)から383(2013年)、517(2016年)と着実に増加している。

 ライバルの香港市場も91(1995年)から275(2013年)、437(2016年)と一貫して伸びている。

 日本市場も168(1995年)から374(2013年)、399(2016年)と増加ペースが継続中だ。

 シンガポール市場には、米税務当局により顧客情報の開示を強いられたスイス市場などから、世界の富裕層マネーが「大移動」している。香港市場では、人民元売買活性化が顕著だ。そして、東京市場では、ミセス・ワタナベと欧米市場で命名されるほど、個人投資家のFX取引参加が目覚ましく伸びてきた。ただし、一方で欧米大手金融機関が、東京のトレーディング部門をシンガポールや香港に統合する動きもみられる。

 このような状況下で、英EU離脱は、ロンドン市場の地盤沈下を招き、外為取引の一部がアジア市場に流れる傾向は強まることが予想される。

 2016年10月には、ポンドがアジア時間帯で1分間の間に約6%も急落する「フラッシュ・クラッシュ」現象が起きた。その後の英当局の調査で大手米銀の日本部門が焦点とされたとの報道も流れた。

 ミセス・ワタナベの間でも、ポン円(ポンド・円)は人気通貨ペアのひとつだ。

 BISリポートの通貨別取引量でも、1位のドル(シェア88%、2016年)、2位ユーロ(31%)に3位円(22%)が肉薄してきている(外為市場ではドル・円のように通貨ペアで売買されるので、シェアの総計は200%になる)。特に円は「安全通貨」として世界の外為市場で認識され、市場がリスクオフに転じると投資マネーの定番の逃避先となっている。

 ちなみに、ポンドが4位で7%、人民元は4%である。

 このような市場環境下で起こった英EU離脱は、東京市場の外為市場での存在感を高め、ミセス・ワタナベの動きが欧米市場で注目される機会も増えることになりそうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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