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[FT]OBずらりロシア外交官 欧米とわたりあう老練

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2017/3/15 6:30
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 ロシアの法律によれば、ユーリ・ウシャコフ氏――プーチン大統領の外交政策担当補佐官――は13日に退任しなければならなかった。この日はウシャコフ氏が70歳になる日で、政府高官にとっては、法律が許す限り最高の退職年齢だからだ。最近、ロシア外交官の間で話題になっていたのが、同氏の後任になりそうな人物の噂だった。駐中国大使のアンドレイ・デニソフ氏だろうか。それとも大統領報道官のドミトリー・ペスコフ氏か――。

 ところがここへ来て、クレムリン(ロシア大統領府)は黙り込んだ。「彼(ウシャコフ氏)は少なくともあと1年留任すると思ったほうがいい。米ロ関係に関してこれほど不確実な状況である限り、プーチンは彼を退任させないだろう」。ロシアの外交官を養成するモスクワ国際関係大学のワレリー・ソロベイ教授はこう言う。

 ウシャコフ氏の去就をめぐるクレムリンのためらいは、その官僚機構を際立たせている。冷戦以来最悪の欧米諸国との対立でロシア政府のかじを取り、同国に世界的大国の地位を取り戻そうとしている官僚機構は、旧ソ連の下で築かれ、ソ連時代に磨き上げられたスキルを持つ人々で占められている。

■中堅不在、退職年齢とうに超える外交マシン

 ロシアの外交関係者らは、最近拡大しているロシア政府の影響力は、チャンスをかぎ取るプーチン氏の鋭い感覚だけでなく、順調に機能する極めて経験豊富な外交マシンのおかげでもあるとみる。

 2014年以降、ロシアはクリミアを編入し、ウクライナ東部で分離派の戦闘をあおった。さらに、軍事介入でシリア内戦の方向性を変え、リビアとアフガニスタンでの交渉に割って入ったうえに、アジア諸国との関係強化に動き、欧米諸国のポピュリスト(大衆迎合主義者)との関係を深めた。

 「我々の外交政策が最近成功を収めてきた主な理由は、欧米の弱さにある。大統領は空白がある場所を見つけては、どこであろうと迅速に入り込む決断を下すことが非常にうまかった」。イエメン、リビア、チュニジアの駐在大使を歴任したベニアミン・ポポフ氏はこう話す。「我々がこれほど迅速に動けるのは、外交官がソ連で非常に優れた教育を受けたためだ。外交官は比類ない経験を積んでおり、チームは安定している」

 だが、外交マシンがどれほどスムーズであっても、進行順序を守って動く必要がある。

 「それが、我々の直面している大きな問題だ。世代間の断絶が存在する」とポポフ氏は言う。ソ連解体後の数年間、民間部門の仕事のほうが給料が高かったため、外務省は中堅スタッフをつなぎとめたり、若手を採用したりすることに苦労した。

 人材流出は止まったが、人材の空白が残った。「若者は今、再び外交官になりたがるようになったが、中堅の人材がいない」とポポフ氏は指摘する。

 大勢のロシア外交官は法定退職年齢をとうに超えている。プーチン氏は、今月67歳になるセルゲイ・ラブロフ外相を13年間その座にとどめている。ビタリー・チュルキン国連大使は同ポストを11年間務めた末に、先月、65歳の誕生日の直前に死去した。

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