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日銀を震災から守れ 重要文化財の本館を免震化

2017/3/9 17:03
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 日銀が国の重要文化財である本館(東京都中央区)の免震化工事を進めている。首都直下型地震の被害想定が切り上げられたことに対応。いかなる災害でも、通貨や金融システムの安定という中央銀行の役割を維持できるように耐震性を確保する。免震化工事には60億円以上かかる見通しで、2019年夏の完了を目指す。記者団に9日、2016年10月に始めた工事の進捗状況を公開した。

 日銀本館は121年前の1896年2月に竣工。1923年の関東大震災でも建物は倒壊せず、復旧工事や改修工事を経て現在に至る。設計者は日本近代建築の先駆者で、東京駅の駅舎なども手がけた辰野金吾氏。日本人建築家による最初の本格的な明治洋風建築とされる。

 本館内には金融機関が訪れる日銀の窓口である旧営業場、厚さ約90センチの米国製巨大ドアが付いた旧金庫なども現存しており、一般向けの見学ツアーも受け付けている。

 こうした歴史的な重要性もあり、本館は1974年に重文に指定された。このため免震化でむやみに柱を切ったり、くいを打ち込んだりすることができない。重文を監督する文化庁とも相談し、日銀は建物の土台ごと免震化する工法を選択した。

 本館はコンクリートの土台の上に石とレンガを組み合わせて造られている。工事では地下6メートルにある土台を鉄骨などで補強。さらに4メートル掘り下げたところに新たな鉄筋コンクリートの土台を築き、旧土台と新土台の間に108基の免震ゴムを設置する。免震ゴムの設置まで旧土台を支える仮設の鋼管くいは500本に達するという。

 本店の延べ床面積は1万1418平方メートル。総重量は東京スカイツリーの鉄骨総重量の2倍に当たる7万5000トンで、3階建ての建物としては破格の重さだ。設計業者によると、建物の土台ごと免震化するという工法自体は珍しくないが、これほどの大きさの建造物での工事は今回が初めてになるという。

 本館の東隣には免震化済みの旧館が近接して建っており、震災時に建物同士がぶつかる可能性もある。このため本館と旧館をつなぎ、同方向に揺れるように工夫されている。

 日銀は「通貨の番人」として日本経済の土台を支えており、足元がおぼつかないようでは落ち着いて取り組めない。黒田東彦総裁の下で「長短金利操作付き量的質的金融緩和」を実施し、デフレ脱却に向けた取り組みが踏ん張り時を迎えるなかで、本館の土台を支える免震化工事も日本経済と重ね合わせて象徴的な意味合いを持つ。

(湯田昌之)

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