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2年目のサンウルブズ、大敗の中に見えたビジョン

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2017/3/4 6:30
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 サンウルブズのスーパーラグビー参戦2年目は、昨季王者ハリケーンズ(ニュージーランド)に17―83という大敗を喫して幕を開けた。ファンからは叱責や失望の声も飛ぶ。しかし、厳しい開幕戦には2年半後のワールドカップ(W杯)日本大会に向けた、大きなビジョンもはっきり見えた。

 サンウルブズに目立ったのが、短いキックの極端な多用だった。浮き球で上を越したり、ゴロで相手選手の間を抜いたりと、様々な球筋で防御ラインの裏を狙い続けた。

ホーム開幕戦で大敗を喫したサンウルブズだが、W杯日本大会に向けたビジョンも見えた=共同

ホーム開幕戦で大敗を喫したサンウルブズだが、W杯日本大会に向けたビジョンも見えた=共同

 コントロールミスや相手選手にチャージされて失点につながった場面もあった一方、カバーリングの遅れをついてサンウルブズが球を再確保し、チャンスもつくることができた。

短いキック、目を引く回数の多さ

 効果を総合的に判断すれば、そう悪いものではなかったが、目を引いたのがその回数の多さだろう。司令塔のSOに入った田村熙のプレーの内訳をみると、パスの7度に対し、キックが9度と上回った。昨季、主戦のSOを務めたトゥシ・ピシは、パスとキックの比率が3.4対1だったから大きな変化。なぜこの日のサンウルブズはこれほど執拗に蹴り続けたのだろうか。

 一つは相手の分析の結果から。「ハリケーンズは2週間前のプレシーズンマッチで、ああいうキックから3トライを取られていた」。攻撃戦術を担当する田辺淳アシスタントコーチは説明する。キック処理の主役となる相手のWTB、FBの反応はやや鈍く、この見立ては正しかった。

 ただ、極端なキック戦術で狙っていたのは開幕戦のトライラインだけではない。田辺コーチが言う。「代表とコラボレーションしなければいけないというのが今年のサンウルブズの一番のテーマ。だからキックを使った。あくまで2019年W杯があってのサンウルブズ」

 昨年就任したジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ(HC)は、互いの陣形が乱れた「アンストラクチャー」と呼ばれる状態からの攻守をテーマに掲げる。処方箋の一つがキックを使った攻撃の活用だ。

 ジョセフHCが初めて指揮した昨年11月の代表戦4試合でも早速、キックを積極的に取り入れた。代表選手中心に構成した「準日本代表チーム」であるサンウルブズでも訓練を続けることで、習得の速度は早まるはず。

 アンストラクチャーはエディー・ジョーンズ前日本代表HCも指摘していた日本の弱点。W杯までに完全にものにできるかはわからないが、それでも取り組む価値は大きいと田辺コーチはみる。「大きな絵で見ると、サンウルブズが今蹴っていることによって、今後ボールを回せる可能性が高まる。他のチームが日本代表やサンウルブズを分析すればするほど、(蹴るのか回すのか)どちらかわからなくなる」。腰を据えてキックを使うほど、対戦相手は警戒する。結果的に、他のプレーがより生きる。

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