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パタパタ走り直すには… 子どもに正しい走り方を(上)
ランニングインストラクター 斉藤太郎

(1/3ページ)
2017/3/1 6:30
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 お子様への指導をしていて質問を受けます。お父さん、お母さんなりにお子様の走りを見て、速い子と比べて何かおかしい。そんな違和感を覚えながらも、何がどう違うのかがはっきりわからない。そんなもどかしさを持っているようです。そこで、今回から3回シリーズで「子どもに正しい走り方を」と題してアドバイスさせていただきます。多くの親御さんから打ち明けられる悩みが「うちの子、パタパタ走るんですが……」「腰が落ちている」。第1回はこのあたりについて考えてみたいと思います。

うまく走れる子はボールが弾むように前に体を弾ませている

うまく走れる子はボールが弾むように前に体を弾ませている

 空気がパンパンに入ったボールと、抜けてしまったボールをイメージしてみてください。足の速い子は前者です。うまく走れない子は後者です。

 うまく走れる子は着地した瞬間に脚の付け根にある大切な筋肉にスイッチが入り、ボールが弾むように前に体を弾ませています。地面を蹴って進んでいるのではないのです。筋肉を収縮させる(縮ませる)ことで後方にかくように蹴って走るのではありません。むしろ、筋肉に力は入っていても縮みません。その代わりに腱(けん)がゴムのように伸ばされては縮む。そんなバネの力を使っているのです。カーボン製の義足を見たことがありますか。義足自体に蹴る力はなくても、着地時の荷重でしなり、バネの役割を果たしています。

 一方でうまく走れない子は、空気が抜けて潰れたボールのような走り方。一歩一歩の着地時に、大切な筋肉にスイッチが入らない状況です。片足で体重を的確に支えることができず、崩れるように腰が落ちます。「地面をつかむ」。短距離アスリートはそんな言い方をしますが、その意味においては、毎歩で地面をつかみそこねている走り方といえます。

 最も力がかかってくる局面では、つま先が外を向き、膝が内側に入り、腰が外側に流れます。「外・中・外」のねじれ。一旦、体が沈んだ後で地面を押して蹴ることで前に進むことになります。バネは使えず、筋肉の伸縮によるキックに依存した走り方です。こちらの方がよほど力を使っているのですが、うまく前に進めない効率の悪い走り方です。見ている人には腰が落ちて沈む印象。着地音は「ポンッ」でなく「グニュッ」という風に聞こえます。これらが「パタパタ走る」「腰が落ちる」という表現につながるのではないかと考えます。

 ここでやってはいけないのは、動きの現象だけを見て修正をかけること。何事も原因と結果があります。つま先が外を向いてしまう原因は脚の付け根にあります。ありがちなアドバイスに「つま先をまっすぐ前に向けて」「もっと速く足を出して」というものがありますが、突き詰めるべきは原因の方。結果である、つま先(体の枝先)だけに修正をかけるようなことはすべきではありません。

 では、原因についてどう修正をかけるか。私の場合は脚を振り子のように捉えます。振り子の基点になるのは脚と胴体がつながる部分、すなわち骨盤です。この骨盤の回りに何らかの刺激を入れるべきだというのが、修正についての私の考えです。体が硬いためにうまく動かせないということもありますので、ストレッチもしてください。

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