インタビュー

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

カネボウ高岡監督が語る 日本マラソン低迷の理由

(3/3ページ)
2017/1/19 6:30
共有
保存
印刷
その他

 ――高岡さんは引退後、米国で研修し、トレーニング方法を目にしてきました。

 「米国の選手は日本のように実業団に所属しているわけではなく、いわばプロなので食べていくにはレースで賞金を稼ぐしかない。日本の選手はケガで練習ができなくても給料をもらえるが、米国はそうではない」

 「だからケガをしないトレーニングや体のケアを重視している。その一つが体幹トレーニングであり、自転車やプールを使ったクロストレーニング、ストレッチから発展させた体操などに取り組んでいる」

リオ五輪で日本女子最高の14位でゴールした福士加代子=写真 柏原敬樹

リオ五輪で日本女子最高の14位でゴールした福士加代子=写真 柏原敬樹

 「走る量を増やすと故障のリスクがあるので、そこは追求せず、強度の高いトレーニングをしている。高地での低酸素トレーニングもその一つ。米国には高地トレーニングの拠点がたくさんある。カネボウとしては今後、高地トレーニングに本格的に取り組もうと思うが、日本に高地がないので困る」

 「米国は科学的なものも積極的に取り入れている。男子マラソンで2人が入賞したリオデジャネイロ五輪では冷やした帽子をかぶり、給水の時に取り換えていたらしい。見えているものは一部であって、もっといろいろやっていると思う。科学的なものを知識として頭に入れるだけでなく実践することが重要でしょう」

 ――米国からはリオで銅メダルのラップら勝負強いランナーが出てきています。

 「様々な特徴のある大会があるのも米国の強みでしょう。起伏の激しいボストン、ニューヨークはタフな選手を育む。平たんなシカゴはスピードランナーに向いている。そのシカゴが15年からペースメーカーを起用しなくなったのは英断です。これによって駆け引きが重要になった。日本は記録の出やすい平たんなコースばかりつくっている」

「中距離種目の強化をもっとやるべき」

 ――日本では駅伝の弊害が指摘されていますが、どう思いますか。

 「駅伝が最終ゴールと考えてしまう選手がいるとしたら、弊害でしょう。しかし、駅伝の良さもある。前後の選手との差を意識して、自分で状況判断して走るのはプラスになる」

 「駅伝はタスキを預かっている責任が重いので、チームのために無理をしなければならない。それが選手の潜在能力を引き出すことがあるし、マラソンのためのいい練習になる。そういう考えで駅伝を使えばいいと思う」

 ――マラソンの強化のために、ほかにやるべきことは?

 「中距離種目の強化をもっとやるべきかもしれない。世界との差がマラソン以上に開いている中距離の底上げが5000メートル、1万メートルの長距離種目で活躍できる選手をつくり、それがいずれマラソンの強化につながる。中距離の魅力的な大会をつくる必要がある」

(聞き手は吉田誠一)

 高岡寿成(たかおか・としなり) 1970年9月24日、京都府生まれ。龍谷大からカネボウに進み、94年広島アジア大会で長距離2冠。初出場した96年アトランタ五輪は1万メートルで予選落ち、2000年シドニー五輪の同種目で7位入賞。01年の福岡国際でマラソンデビューし、02年シカゴで2時間6分16秒の日本記録を樹立した。マラソンでの代表を狙った04年アテネ大会は出場を逃したが、05年世界選手権では4位入賞。引退後、カネボウでコーチを務め、15年に監督に就任した。

インタビューをMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップスポーツトップ

関連キーワードで検索

高橋尚子野口みずき瀬古利彦川内優輝

五輪関連コラム

障害者スポーツコラム

インタビュー 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

アテネ五輪優勝の野口には、世界一練習をしたという自信があった

 日本のお家芸だったマラソンの低迷が続く。男子マラソンの日本記録はカネボウの高岡寿成監督が2002年につくった2時間6分16秒が14年以上も破られていない。その高岡監督に日本のマラソンの問題点とマラソ …続き (1/19)

指導者の男女差についての議論はナンセンスと語る山口准教授

 2016年はスポーツ界で女性の日本代表監督が次々と誕生する節目の年となった。「ガラスの天井」を破り、サッカーや卓球では初の女性指揮官が誕生。一方、柔道のように女性監督への待望論がありながらも先送りと …続き (1/4)

内村はプロになることで「体操の露出を増やし、体操をもっと知ってもらいたい」と強調する

 体操男子の内村航平(27)にとって、2016年は長いキャリアの中でも忘れられない年になった。8月のリオデジャネイロ五輪で念願の団体と個人総合の2冠達成、12月からはプロ選手として次の挑戦に踏み出した …続き (2016/12/8)

ハイライト・スポーツ

[PR]