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カネボウ高岡監督が語る 日本マラソン低迷の理由

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2017/1/19 6:30
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 ――いまは25キロ、30キロまでペースメーカーが引っ張ってくれるレースが多い。

 「むかしはペースメーカーがいなかったので、自分でレースを組み立てた。瀬古利彦さんの時代は記録を出そうと思ったら、自分で最初から出ていくしかなかった」

箱根駅伝は人気が高い。高岡監督は「箱根に出ることで満足する学生もいるのかも」と語る=共同

箱根駅伝は人気が高い。高岡監督は「箱根に出ることで満足する学生もいるのかも」と語る=共同

 「いまのマラソンではペースメーカーがたとえば1キロを3分のペースで30キロまで刻んでくれる。そこから、いかにペースを落とさず粘るかだけになっている。それはマラソンとはいえない」

 「マラソンの本質である戦術や駆け引きが欠けている。42.195キロを走っているだけで、マラソンをしていない。それが大きな問題です。やる側にとっても、見る側にとっても、駆け引きこそがマラソンの面白いところなのに……。選手を育てるにはペースメーカーがいない大会も必要だと思う」

 ――日本のマラソンの黄金時代は瀬古さん、茂さん、猛さんの宗兄弟、中山竹通さん、伊藤国光さんをはじめとした個性のある選手が名勝負を演じていた。

 「私が子どものころにテレビで見ていた選手はみな超人です。ひと癖もふた癖もあって面白かった。あの中に放り込まれてレースをしたら楽しいでしょうね。まるで戦国時代みたいな雰囲気ですから」

 「瀬古さんはたぶんタイムのことは考えていなかったと思う。勝つことだけを考えて勝負をしていた。みんな瀬古さんを倒すにはどうしたらいいんだろうと考え、戦術を立てた。うまくいかなかったら、次はどの手でいこうかと考える。いまは目標となる絶対的な選手がいないのも問題になっている」

「マラソンに必要な我慢は何種類もある」

 ――マラソン選手にとって一番重要なことは?

 「我慢でしょうね。マラソンはほかの選手の動きに影響されやすい。思い描いた通りの展開にならない。それにいらいらするようではダメ。我慢して冷静さを保たなくてはいけない」

 「マラソンに必要な我慢とは何種類もある。当然、苦しくなったときに我慢しなければならない。ペースアップしてはいけないときに、しない我慢も必要」

 ――高岡さんが龍谷大からカネボウに進んだ理由は?

 「当時の伊藤国光監督に教えてもらいたかったからです。カネボウに入れば強くなると思った。マラソン練習は苦しいものなので、監督を信じていないと立ち向かえない」

自分が主導権を握っていると思い込むことが重要。川内にはそれができている=共同

自分が主導権を握っていると思い込むことが重要。川内にはそれができている=共同

 「私は若いうちはボリュームのある練習をこなす体力がなかったので、スピードを磨くことを続けながら体づくりをして、それからマラソンに挑んだ。最初に立てたプランに沿って強化を進めた」

 「当時、マラソンで成功した欧州の選手がそのパターンだというのも伊藤さんの頭にあった。クロスカントリーやトラックの1万メートルで実績をつくり、30歳前後でマラソンに挑むのが一般的だった。それもあって私の強化方針を決めたのだと思う」

 ――伊藤監督は練習コースの距離表示をわざとずらすことがあったそうですね。

 「伊藤さんにはずいぶんだまされた。どう考えても距離がおかしいので『長くありませんか』と尋ねると、『分かった?』と言ってニヤッとする。ペース感覚が養われているかどうかを試したのかもしれません。そういうちょっとした部分がうまかった」

 「九州一周駅伝で『区間記録まで10秒だぞ』と言うから必死に走ったら、余裕で記録更新ということもあった。『あと10秒』とだましたのは、私の潜在能力を引き出すためだったのでしょう」

 「伊藤監督は練習方法のアイデアが豊富だった。いろいろ工夫して、練習を組み立てるのがマラソン練習の面白いところです」

 「マラソン練習というのは、その大会に向けた数カ月だけではない。その前の年に何をしたか、さらに前の年に何をしたかの積み重ねが結果に出るわけで、一朝一夕では済まない。毎年、上積みしていくものです」

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