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トランプ氏発言、保護主義の現実に円高の反応

2017/1/12 7:58 (2017/1/12 11:45更新)
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 トランプ次期米大統領の記者会見でジャパンの名前が2回出た。貿易不均衡相手国として、中国、メキシコ、日本。そして最後に「ロシア、中国、メキシコ、日本は米国を尊敬するようになる」。これは日本がトランプ流に従うことを期待する発言だ。日米貿易摩擦の可能性・円安けん制を連想させる。

 外為市場で円の対ドル相場は急伸し、1ドル=114円台と円高・ドル安傾向が強まった。市場は改めて保護主義の現実をつきつけられたといえる。

 企業行動への介入も、会見開始後にいきなり薬価をやり玉に挙げ、製薬業界に警告を発した。自動車から製薬業界と続き、米国の雇用を奪う企業は、どの業界でも容赦しない姿勢を明確にした。今後、この対象になり得る日本企業の範囲も拡大した。

 そして、親ロシア・嫌中国のスタンスも確認された。現在進行中のロシア・ハッキング疑惑に関しては、総じて自国の情報機関よりロシアに融和的である。対して、中国のハッキングは、厳しい言い回しで非難した。南沙問題も「海の中の要塞」は許容しないこと、中国が米国の雇用を奪っていることなど、これまでの非難を繰り返した。

 中国の空母が台湾海峡を通過し、中国機が対馬海峡を飛ぶ示威行動が繰り返されているタイミングゆえ、中国リスクを意識せざるを得ない。

 総じて、言い回しには感情的表現が目立った。勝利演説のときの大統領らしい振る舞いとは対照的だ。ロシア・スキャンダルを突っ込まれ、むきになって言い返すごとき言動は不安感を誘発する。メキシコに壁を建てることも本気のようだ。

 記者会見の場も、トランプ支持者に囲まれ、次期大統領の発言に拍手が送られるなど、かなり偏った仕掛けだった。ロシア関連で、当初はメディアの具体名を出さず、「偽情報を発信するメディア」と強く批判したが、途中に思わずCNNと口走ってしまった。その後、CNN記者が執拗に質問を投げたが、声高に制して、答えなかった。今後も、ツイッタ―経由の意思表示が続くことを想起させる。

 トランプグループの事業との利益相反問題について、担当弁護士に10分以上、延々と語らせたことも、肝心の問題を避け、時間稼ぎの印象を与えた。なお、娘のイバンカさんも、事業から関係を絶つことが強調された。身辺整理した彼女が、ホワイトハウスの司令塔ウエストウイングで影響力を発揮することになりそうだ。縁故主義議論が強まろう。

 トランプ相場も当初の陶酔感がさめ、現実を直視する段階に入ったことを感じさせる記者会見であった。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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