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[FT]オバマ大統領の遺産 不完全だった経済再建

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2017/1/12 6:30
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 オバマ米大統領の在任期間の経済的な成功と失敗は、どうやって評価すべきなのか――。これは答えるのが難しい問題だ。結局のところ、現職のホワイトハウスの主は、巨大で複雑な米国経済のパフォーマンスを決めることができない。実際、政策構想は通常、小さな影響しかもたらさない。だが、オバマ大統領時代の物語は普通とは少し違う。1930年代以来最悪の金融危機のさなかに始まったからだ。

 オバマ大統領が受け継いだ惨状と、大統領の失敗を確実にしようとする米議会共和党員の決意を考えると、オバマ氏の実績は明らかに成功だ。実績が完璧だという意味ではない。また、米国が経済的な課題にほとんど見舞われていないというわけでもない。どちらも正解に近い答えではない。だが、これは確かにオバマ氏が強力な基盤を築いたことを意味する。

最後の演説で涙をふくオバマ大統領(10日、シカゴ)=AP
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最後の演説で涙をふくオバマ大統領(10日、シカゴ)=AP

 最新の米大統領経済報告は、オバマ氏の実績を分析している。報告書は弁護側の説明でもある。だが、オバマ氏の米大統領経済諮問委員会(CEA)は一流の分析を行っている。今回の報告書も、その例外ではない。

 評価の出発点は、オバマ氏が前任者から受け継いだものでなければならない。経済は2009年初めにとめどなく落ち込んでいた。報告書は完璧に、正しく指摘している。「米国経済が危機時に全面的な恐慌にどれほど近づいたかは、簡単に忘れてしまう。実際、複数のマクロ経済の指標で見て(略)グレートリセッション(大不況)の1年目は、1929~30年の大恐慌の初期より大きな落ち込みを経験した」

 成功裏に回復を遂げた功績は、この政権だけのものではない。危機直後の対応については(深刻さに一定の責任を負うものの)ブッシュ前大統領の政権の功績だった。米連邦準備理事会(FRB)は効果的に行動したし、米議会は重要な法案を可決した。だが、おぞましいことに、大半の共和党議員は、危機に対処するために講じられた重要な金融、財政措置すべてに反対した。

■金融業界回復、失業率低下、雇用増

 オバマ政権は重要な財政施策をいくつか実行した。その代表格が2009年の米国再生・再投資法だ。FRBへは(もともとブッシュ大統領が任命したベン・バーナンキ議長の再任を含めて)強力な精神的支援を与えた。オバマ政権は、予想より早く金融業界を回復させ、自動車業界の救済でも大成功を収めた。

 一方、共和党は財政刺激策を批判し、危機によって生じた莫大な財政赤字について不満をこぼした。だが、あの当時赤字についてこぼすことは、経済が完全雇用に近づいているように見える今、減税するのと同じくらい不条理だった。共和党の一部からは、FRBの政策はハイパーインフレを生む恐れがあるとの声が上がった。大半の共和党員は金融業界の再規制に反対し、自動車業界の救済を猛烈に批判した。だが、もし自動車大手が当時救済されていなかったら、トランプ次期大統領は今、自動車メーカーにごり押しする立場になかったかもしれない。

 全体的には、起点を考えれば、経済のパフォーマンスは立派だった。失業率は一貫して予想より速いペースで低下した。また、民間部門の雇用の伸びが2010年にプラスに転じてから、米国企業は雇用を1560万人増やした。現行の景気サイクルにおける実質賃金の増加は、1970年代初頭以降のどのサイクルよりもペースが速い。

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