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[FT]新年の抱負は「仕事のメール中毒を断つ」

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2017/1/6 6:30
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 1月は中毒を断つ新年の抱負を立てるときだ。お酒を断つ、食べる量を減らす、これまでほど頻繁にフェイスブックやツイッターをチェックするのをやめる等々。だが、もし中毒が集団的なもので、ほかの人がまだ乱用している間は一個人で断つことができないとしたら、どうか。

 その典型例がメールだ。今週施行されたフランスの法律がそう認めている。新法は従業員がスマートフォンに出てメッセージに返信しなくてもよい時間帯について、大企業に労使交渉を義務付ける。これにより従業員に「つながらない権利」を与えることを意図している。タイムカードを押して工場から退勤する行為のデジタル版を約束するものだ。

■一人メールを無視するのは難しい

ロンドンの街角でスマートフォンをチェックするビジネスパーソン。仕事のメールは集団で使っているのでなかなかやめられない=ロイター
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ロンドンの街角でスマートフォンをチェックするビジネスパーソン。仕事のメールは集団で使っているのでなかなかやめられない=ロイター

 週35時間労働制を敷いたフランスだ。同国によるこの統制的なアプローチにケチをつけるのは簡単だ。専門職にとっては、オフィスから出ても連絡を取れることは、恩恵になり得る。上司に呼ばれる場合に備えて漫然と職場に残らざるを得ないよりはましだ。それに時差の問題はどうか。香港のスタッフは、ニューヨークからの迷惑なメールを無視できるべきなのか。

 だが、フランス政府は2つの重要な点で正しい。第1に、メールのほか、社内ソーシャルメディアからスラックなどの対話アプリまで、さまざまな形態のデジタルコミュニケーションは有害な形で仕事と私生活の境界線を損なうことがある。第2に、これは集団としての課題だ。ほかの人間がメールを送り続ける限り、一個人がメールを無視するのは難しいからだ。

 企業と従業員は、メールや、グローバル電話会議などの無秩序なデジタルコミュニケーションに共に依存しており、目に見えない形で時間が無駄にされている。多くの場合、最悪の常習犯は企業自体ではなく、勤務時間表に表れないような形でスタッフの時間を浪費する、権力欲に駆られた中間管理職だ。

 公害と同じように、こうした習慣は集団的代償を伴うが、容易に把握できるコストではない。直接影響が及ぶのは、寝ているとき以外、仕事について考えるのをやめない個人だ。絶え間なく、常にオン状態のデジタルコミュニケーションはその性質上――メールはいつでも受信ボックスに飛び込んでくる――意識のスイッチを切り、休養を取ることを難しくする。

 仕事のメールはひどい形の中毒だ。というのは、ソーシャルメディアへの投稿といったほかの種類のデジタルコミュニケーションとは異なり、大した楽しみを与えてくれないからだ。人はインスタグラムやピンタレスト、スナップチャットなどで時間を使いすぎたことを後悔するかもしれないが、こうした行為は気晴らし、娯楽、戯れ、自慢、友人との交流といった形で見返りを与えてくれる。

■メールによる仕事の中断、取り戻すのに1分

 メールはむしろ義務のようなものだ。情報を共有する輪に入っていたければ、メールを読み、受領を確認しなければならない。ある調査では、職場ではメールの70%が6秒以内に開封され、受信者はメールに1回仕事を遮られるたびに、完全に集中力を取り戻すまでに1分かかることが分かった。2017年には日々1200億通の業務メールが送受信されると見込まれることを考えると、これは膨大な量の業務の中断だ。

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