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投手のボール回転数から見える奥深い世界(後編)
スポーツライター 丹羽政善

(1/3ページ)
2016/12/26 6:30
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 アストロズが「トラックマン」で得られるデータの中から、投手が投げる球の回転数に注目し、カーブのそれがリーグトップクラスのコリン・マカフィーという平凡な投手を発掘。彼自身、そのカーブを生かすピッチングを心がけると、移籍初年度から見違えるような投手に変貌を遂げたことを12月12日の前編で紹介した。

回転数落として得られる効果も

 ただ、どんな球種であれ、回転数が多ければ多いほど打者を抑えるのに有利かといえば、そうともいえるし、そうでないともいえ、あえて回転数を落とすことで得られる効果もあるよう。

 今年、レンジャーズのダルビッシュ有は、2シームファストボール(以下2シーム)を投げるときにあえて回転数を抑えた。本人によれば「その方が(打者の手元で)沈む」そうで、空振りを取る球として、あるいはバットの下に当ててゴロを打たせる球として用いた。その回転数が落ちたことはデータにも表れている。

 グラフはダルビッシュがメジャーデビューしてから、4シームファストボール(以下4シーム)、2シーム、スライダーの3球種に絞り、月ごとの平均回転数を調べたものである。

 これを見ると、2013年は平均でも2300回転を超える2シームを投げていたが、今季はそれまでと比べて回転数が下がっている。9月から10月のプレーオフでは、2シームの回転数が2000回転を超えたがこれも意識的なもの。9月24日の試合後、2シームの球速が上がったことを問われて、ダルビッシュ自身が明かした。

 「握りを深くしていたのを、今日は普通の、真っすぐに近い形で握っていた。前はもっとスプリットに近い形だったからスピードが落ちたけれど、何となく、感覚がよさそうだったから投げた」

 ダルビッシュは今季、回転数に関して2種類の2シームを使い分けたわけだが、大半は回転数を抑えたものだった。

 その効果については、球が落ちるなら、先ほども触れたように空振りがとれるという仮説が立てられる。大リーグの1球速報に利用されている「PITCHf/x」というシステムの各種データをまとめている「brooksbaseball」によれば、やはり2シームで空振りをとる確率が18.53%(12年)、15.65%(13年)、13.38%(14年)から、今年は20.16%に上がっていた。

5月28日のパイレーツ戦で右肘手術から復帰したダルビッシュ=共同

5月28日のパイレーツ戦で右肘手術から復帰したダルビッシュ=共同

 もちろん、空振りは回転数だけが要因ではなく、球速やコースも関係してくるので一概には結論づけられないが、一定の関連がうかがえる。

 ちなみに空振りの確率だけを切り取ると、球速と回転数のコンビネーションである程度の傾向が出ている。

 仮想チームを作って成績を競うファンタジースポーツ愛好家をターゲットとした「Rotowire」というスポーツサイトのジェフ・ジマーマン記者が両者の関連を調べた(16年9月6日付)。それによると4シームの場合、回転数が1800、球速が96マイル(約154.5キロ)の組み合わせで空振りの確率が14%という例外はあるものの、球速が95マイル以上、回転数が2400以上の組み合わせなら、空振りの確率が10%を超え、99マイルと2700回転の組み合わせで19.7%。これがもっとも高い値だった。

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