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プラットフォームを「隠れみの」 DeNA大炎上の本質
ブロガー 藤代裕之

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2016/12/8 6:30
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 ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する医療キュレーション(まとめ)サイト「WELQ」に端を発した騒動は、他社が運営するサイトにも波及し、次々と記事削除が行われる底なしの様相を見せている。7日にはDeNAの守安功社長や創業者の南場智子会長が記者会見を開き「サービスの成長を追い求める課程で、信頼できる情報を担保する体制ができていなかった」(守安社長)と謝罪した。

 この騒動は、キュレーションサイトの是非を問うだけにとどまらない。本質は、そのサービスが情報を流通させる基盤となる「プラットフォーム」なのか、自ら情報を生み出してその内容に責任を追う「メディア」なのかという点にある。ネット情報の信頼に関わる構造的な問題が根底に横たわっている。

キュレーションサイトの不正問題について記者会見で謝罪する(右から)ディー・エヌ・エーの南場智子会長、守安功社長(7日午後、東京都渋谷区)
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キュレーションサイトの不正問題について記者会見で謝罪する(右から)ディー・エヌ・エーの南場智子会長、守安功社長(7日午後、東京都渋谷区)

■プラットフォームという隠れみの

 騒動の発端は10月末、WELQに掲載されている不確実な情報がグーグルの検索結果上位を独占し、良質な医療情報がネット上で見つけにくくなっているとニュースサイト「BuzzFeed(バズフィード)」が報道し、ネット上で話題となったことだ。さらに11月末、WELQの情報が組織的な関与によって作られていたことを内部資料やライターの証言で同サイトが明らかにすると、一気に関心が高まる。

 ここまで騒ぎが大きくなった背景には、DeNAがプラットフォームとメディアの垣根を曖昧にし、自らに都合の良い部分だけを「いいとこ取り」していたことにある。WELQはサイトの注意書きに「情報に責任を負わない」「判断は利用者の責任」と明記していた。つまり、WELQの情報を見て健康被害が起きても何の責任も取らない、と堂々とうたっていた。その表向きの理由は「プラットフォーム」だからだ。しかしWELQの実態は、プラットフォームを隠れみのにしながらも、自らの意図で記事を作り上げるメディアだったのだ。

 メディアとプラットフォームの定義はあいまいに使われているが、ここではメディアは情報の内容に責任を持つ発信者、プラットフォームは人びとの発信を助ける場所の提供者、としておきたい。

 ブログ、動画サイト、フェイスブック、ツイッターなどのプラットフォームには個人が発信する身近な情報が集まる。誰もが自由に発信でき、そこにある情報は運営会社や編集部によって操作されていない、と考えるのが「常識」だ。ところがWELQは外部ライターを募り、記事を大量に生み出していた。

 プラットフォームであれば、掲載されている情報の責任は原則として投稿者にある。サービス事業者を守るための法律として定められたプロバイダ責任制限法に従い、問題が発覚したら事後対応すればよいとされている。一方のメディアはそうはいかない。記事の内容に責任を持つべき立場にあり、紙の雑誌などで不適切な情報を掲載し続ければ、編集部の刷新や社長交代までつながる可能性もある。

 DeNAの守安社長は、7日の記者会見でメディアかプラットフォームかと聞かれ「プラットフォームという概念に大きな意味があるわけでない。一般のユーザー、外部ライター、内部のアルバイトやインターンが作る記事が混じっているという点ではメディアかという所だ」と区分が出来てなかったことを認めた。

■暴かれた「情報汚染」の仕組み

 このようなメディアとプラットフォームの特性を巧妙に使い分けてDeNAはキュレーションのビジネスを拡大してきた。実際、キュレーションサイト事業の利用者や売り上げは右肩上がりだった。2016年7~9月期の売り上げは約15億円に達し、9月には単月黒字を達成していた。収益率を高めることができた理由は、クラウドソーシングを利用して情報を大量に「製造」し、検索エンジンなどからアクセスを集め、メディアとしての価値を高めて広告収入を得ていたからだ。

 WELQの媒体資料によると、記事広告の最低単価は150万円(2週間掲載 5万ページビューを想定)、6本まとめると1500万円という「お得」なプランも設定されている。開始から1年ほどのサイトとしては強気の価格設定といえる。一方、サイトに掲載されているまとめ情報は非常に安価に作られている。

 クラウドソーシングとは、ネットを通して仕事を受発注する仕組みで、ランサーズやクラウドワークスといった企業が代表格だ。以前からネットでは、クラウドソーシングが、不確実な情報や著作権違反のコピーコンテンツの汚染源になっていると批判されていたが、対策は十分に取られていない。

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