FinTech

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

「信用機能」解放 ブロックチェーンでビジネス大変革
ビジネスブロックチェーン(上)

(1/2ページ)
2016/12/14 6:30
保存
印刷
その他

 仮想通貨ビットコインを支える技術、「ブロックチェーン」が話題を集めている。ブロックチェーンは、ビットコインだけでなく、さまざまなビジネスを大きく変える可能性を秘めているためだ。

 もしあなたがブロックチェーンの衝撃をまだ体験していなくても、間違いなくもうじき味わうことになるだろう。

■改ざんも消去もできず永遠に取引記録

著者であるカナダのバーチャル・キャピタル・ベンチャーズ ゼネラルパートナーのウィリアム・ムーゲイヤー氏。同社は分散型技術や分離型アプリケーションに特化して投資している。同氏は1997年に『デジタルマーケットの幕開け』『ビジネスインターネット』を上梓。Fortune500に名を連ねる企業に、長年にわたって幅広い分野のアドバイス、講演を行っている
画像の拡大

著者であるカナダのバーチャル・キャピタル・ベンチャーズ ゼネラルパートナーのウィリアム・ムーゲイヤー氏。同社は分散型技術や分離型アプリケーションに特化して投資している。同氏は1997年に『デジタルマーケットの幕開け』『ビジネスインターネット』を上梓。Fortune500に名を連ねる企業に、長年にわたって幅広い分野のアドバイス、講演を行っている

 インターネットの登場以来、これほど想像力をかきたて、しかも急速にここまで広まったものは他にない。

 ブロックチェーンの本質は、改ざんも消去もできず、ただ連続的に追記していく方法で永遠に取引を記録し続けるところにある。一見シンプルな機能に見えるが、 その可能性は計り知れない。ブロックチェーンの登場により、取引、データ保存、資産の移動に関する方法の見直しが迫られるだろうが、それも序の口に過ぎない。

 ブロックチェーンは単なる技術革命ではない。現在進行形であり、その波はゆっくりと押し寄せ、行く手にあるものすべてを巻き込む。1990年に誕生したウェブ(Web)がインターネットの「第1レイヤー」だとしたら、ブロックチェーンはその上を覆う重要な「第2 レイヤー」である。信用の固定概念を揺るがし、再構築を迫るので「トラストレイヤー」と呼んでもいい。

 ブロックチェーンは数十年間も浸透してきた考え方を否定し、従来の企業モデルや社会的でグローバルな機関、ガバナンス、人々の生き方に至るまで全面的に変える力がある。確実で間違いのない自動検証システムを提供し、中央集権型の管理と取引システムに異議を申し立てる。改革が急進的過ぎて、変化の過程で抵抗にあうだろう。

 取引先の検証もブロックチェーンが肩代わりすることになり、銀行、大企業、清算機関、政府など、中央機関にゆだねられていた信用は管理者から解き放たれる。

■信用は“暗号化された証拠”に

 ブロックチェーンを取り巻く状況は 16 世紀のヨーロッパ中世に似ている。当時、職業別組合(ギルド)は自分たちの職能技術を独占し、外部に漏れないようにしていた。彼らはカトリック教会や王権と結びつき、知識が他者に広まらないよう印刷物を統制して検閲を行った。

 知識を印刷物にすることが違法行為になるとは現在では考えもつかないが、ほとんどのヨーロッパ諸国で印刷業は免許制であり規制の下に置かれたのだ。しかし中央支配と独占は長続きすることはなく、印刷技術の爆発的な発展と拡大によって知識は解放され、自由に伝えられるようになった。現代の中央機関はギルドのように信用を強固に支配している。新しい技術の方が優れているのに、いつまでも従来の機関に信用を預ける必要はないと考えるのは自然なことだ。

 印刷技術の発展により中世の支配者が独占を放棄せざるを得なかったように、中央権力の外にあるブロックチェーンによって信用機能は解放されるだろう。

 ブロックチェーンは多くの側面を持ち、分散型台帳(同一の台帳情報を個々のシステムで所有できる技術)は一面に過ぎない。それだけを見て判断するのは、インターネットを単なるネットワークや情報発信プラットフォームととらえるのと同様に誤解を招く。その二つはインターネットに不可欠な特性だが、それだけでは十分でないように、ブロックチェーンもあらゆる面をすべて合わせたよりさらに偉大な存在なのだ。

 ブロックチェーンの支持者は、信用は自由であり、手数料やアクセス権限、認可の申請なども含めて中央集権型の機関に管理されるものではなく、互いに対等な関係で取引を行うピア・ツー・ピア(P2P)であるべきと信じている。信用は暗号化が可能であり、さらに高度な暗号化技術に裏付けられた数学上の見地をもとに確実に真偽も計算できる。

 端的に言えば、ブロックチェーンにより、信用は“暗号化された証拠”へと形を変えるのだ。そして官僚主義を生みだす単一機関とは対照的に、信頼の置ける個々のコンピューター(善良な参加者であるノード)により構成されるネットワークがセキュリティーを保障し、信用を維持する。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

日経BPの関連記事

【PR】

FinTech 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

あらゆる店のレジに2次元バーコードを貼り付けた(2月、広州市内の小売店)

スマホ決済 中国8億人に ネット大手テンセント [有料会員限定]

 中国インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が、スマートフォン(スマホ)を使った決済を猛烈な勢いで拡大させている。今や中国では街の店の至る所でスマホで会計を済ませる姿が見られ、昨年のスマホ…続き (3/24)

グナワン氏は本型ライト製作にクラウド調達を利用=Astrid Jamois氏撮影

米のネット資金調達、9%成長 新参の「投資型」定着なるか [有料会員限定]

 【ニューヨーク=山下晃】日本でヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングで主演の星野源さんが歌いながら開く本型のライト「ルミオ」。実はこの開発にインターネットで不特定多数から資金を調達…続き (3/23)

コープこうべ、AIで買い物提案 スマホアプリで育児支援も [有料会員限定]

 コープこうべは人工知能(AI)を活用し、買い物に最適な商品を提案するサービスを始める。4月4日からインターネット通販を利用する組合員のスマートフォン(スマホ)に「コープこうべアプリ」を配信。2017…続き (3/23)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経産業新聞 ピックアップ2017年3月24日付

2017年3月24日付

・人の流れ割安で解析 日本ユニシス
・トマトの品質高める遺伝子 横浜市大が発見
・抗がん剤の調合安全に 日本エアーテック 作業後オゾンで分解
・米コーニング ドローンで赤外線撮影 小型カメラで日本参入
・ジヤトコ 変速機生産にクリーンルーム 国内外で…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト