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名伯楽が挑む 引退競走馬のセカンドキャリア支援

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2016/10/22 6:30
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 2007年に牝馬として64年ぶりに日本ダービーを勝ったウオッカを育て、11年には世界最高峰のレースの一つ「ドバイ・ワールドカップ」にヴィクトワールピサで優勝した名伯楽、角居勝彦調教師(52)が中心となった、引退競走馬のセカンドキャリアを支援するプロジェクトが今春、始動した。プロジェクトに参加する乗馬クラブで、引退馬を再調教。乗馬や福祉の世界で活躍できるような能力を身に付けさせる。競馬ファンから支援金を集める仕組みも取り入れ、再調教にかかる費用などに充てる。セカンドキャリアは人間のプロスポーツでも大きな課題となっているが、競走馬の場合はさらにシビア。実績を残せなかった馬は引退後、殺処分されているケースも多い。一頭でも多くの馬が充実した余生を送れるよう、競馬界の第一人者が動き出した。

「引退馬が生きがいを持って余生を送れるチャンスを増やしたい」と語るJRA調教師の角居さん

「引退馬が生きがいを持って余生を送れるチャンスを増やしたい」と語るJRA調教師の角居さん

 立ち上げたのは「サンクスホースプロジェクト」。引退後の競走馬を再調教し、乗用馬としてはもちろん、馬とのふれあいや乗馬によって、障害者や高齢者の心身の機能向上を目指す「ホースセラピー」用の馬などとしての能力を身に付けさせる。その後、各地の乗馬クラブや牧場に紹介し、引き受けてもらう。プロジェクトに所属する引退馬の情報も管理。どの馬が、どの乗馬クラブにいるのかなどを公開する。

自分の世話した馬のその後が気がかり

 プロジェクトの一環として、引退馬を資金面で支援する仕組みもつくった。4月に引退馬のファンクラブを設立。この取り組みに賛同する競馬ファンに1000円の月会費を払ってもらい、再調教の費用などに充てる。加えて、プロジェクトの所属馬の中から特定の馬を指定し、一口4000円(月額)で支援もできる。いわば引退馬の「一口馬主」で、所属する乗馬クラブに行けば割引価格でその馬に乗ることができるなどの特典が付く。

 現役時代に角居厩舎に所属し、10年の朝日杯フューチュリティステークス(G1)で3着に入ったリベルタス、15年の根岸ステークス(G3)を勝ったエアハリファなど、現在、このプロジェクトで20頭超の馬を支援している。

 角居調教師がプロジェクトを始めた背景には、引退後の競走馬の暗い行く末がある。毎年、約7000頭の競走馬が生産されるが、レースで好成績を残し、種牡馬などになれるのは一握り。引退後の用途が名目上、乗馬となっていても、行き先がわからなくなったり、殺処分されていたりすることも多い。「勝てなかった馬に良い未来がないのはわかっているし、(競馬界では)馬の引退後は深く追いかけないというのが暗黙の了解になっていた。だが、調教師になる前に厩舎の従業員として働いていたときから、自分の世話した馬のその後が気がかりだった。(調整面などでの)自分の失敗が馬の未来に響いたこともあったのだろうと思うと、心に重くのしかかるものがあった」と角居調教師は胸の内を語る。

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