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常勝軍団復活狙う ヤンキース再建策の成否
スポーツライター 杉浦大介

(1/3ページ)
2016/10/10 6:30
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 米大リーグ屈指の名門ヤンキースがポストシーズン進出を逃した。渡米3年目の田中将大は自己最高の1年を過ごしたが、チーム全体では満足できたとは到底言えまい。ただ、もはや「常勝」という形容が適切ではなくなったヤンキースは、シーズン中に思い切った再建策に取り組み、以降は好材料も見えてきた。今後、復活を目指す伝統チームはどんな道をたどっていくのか。

田中はメジャー3年目でア・リーグ3位の防御率を残した=共同

田中はメジャー3年目でア・リーグ3位の防御率を残した=共同

田中「一つステップアップできた」

 「これまでの2年に比べれば、規定(投球回数)にも届くことができた。最後の最後でこういう形になって、2試合スキップ(登板回避)という形にはなってしまったけれど、それまではローテーションに穴を開けることなく、しっかりと投げられた。そういう部分では一つステップアップはできたのかなという気持ちはある」

 2016年シーズンを振り返った田中の表情には少なからず満足感も感じられた。31試合で199回2/3を投げて14勝4敗、防御率3.07、165奪三振。登板数、勝ち星、イニング、奪三振などは自己最高で、ア・リーグ最優秀防御率のタイトルも最後まで争った。何より、本人が真っ先に述べた通り、大事をとって登板回避した最後の2戦を除き、ほぼシーズンを通じて先発ローテを守れた。

 「投球回数、登板数、健康維持が向上した部分だ。よい投球をしてくれ、このままさらに前に進んでほしい。毎年200以上のイニングを投げてくれる投手がいることは、チームにとって大きなことだ」

 今季の田中が向上した点を聞かれ、ジョー・ジラルディ監督もそう述べていた。

 日程の厳しいメジャーでは、エースと呼ばれる投手は安定して長いイニングを稼ぎ、投手陣全体の負担を減らすのが必須条件。そういった意味で、シーズンを通じて「一流投手の目安」とされる200イニングペースで投げ続けた田中の貢献は大きかった。総合的に見て、間違いなくメジャーでの自己最高のシーズンを過ごしたといっていい。

引退試合前のセレモニーで観客の声援に応えるロドリゲス=共同

引退試合前のセレモニーで観客の声援に応えるロドリゲス=共同

 そんな状況で残念なのは、今季のヤンキースは84勝78敗でア・リーグ東地区の4位に終わり、ポストシーズンに進めなかったことだ。これでプレーオフ進出を逃したのは過去4年間で3度目。昨季もワイルドカード戦でアストロズに敗れており、プレーオフでの勝利からは12年以降遠ざかっている。最近は観客動員も激減。今年は地元のテレビ視聴率でも同じニューヨークを本拠地にするメッツに抜かれるなど、伝統のフランチャイズは「低迷期」に入っているといっても大げさではない。

 もっとも今年、プレーオフ進出を逸したのは仕方ない部分もあったのだろう。前半戦時点で優勝が狙える戦力ではないと悟ったチームのフロントは、トレード期限間際に時速105マイル(約169キロ)の速球を投げるアロルディス・チャプマン、今季も球宴に選ばれたリリーフ左腕アンドリュー・ミラー、22本塁打を放っていたカルロス・ベルトラン、7勝を挙げていたイバン・ノバといった主力を次々と放出。さらにはアレックス・ロドリゲスには8月12日に引退試合の機会を与えて事実上解雇するなど、「チーム解体」策を進めた。

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