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鍵は将来見通す力 日米企業、成長格差の裏にCTO
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2016/7/20 6:30
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日経BPクリーンテック研究所

 バブル崩壊後、日本企業がもたついているうちに、米国企業は大きく成長した。米国企業の成長を支えたのは、実は優秀なCTO(最高技術責任者)だ。欧米でも産業によってCTOのタイプは異なる。

 日経BP社が主催する次世代CTOが集うフォーラム「CTO30会議」で、2016年4月にドリームインキュベータの竹内孝明執行役員が、2016年5月に同社の石原英貴執行役員が講演した内容を基に、欧米における成長企業のCTOとその役割を探る。

■ベンチャーだけではない米国企業の成長力

 日本と米国を比較すると、企業の研究開発費はどちらも高水準で大きな差はない。ところが米国企業に比べて日本企業の成長力は大きく劣るのが実情である。

 「日本と米国で時価総額が1兆円(米国の場合は100億米ドル、1米ドル=100円とした)を超える企業の数を比較すると1990年以降で大きな差が開いた」(竹内氏)。1990年は、日本の兆円級企業の数は54社、その時価総額の合計は112兆円だった(図1)。

図1 時価総額で見た「兆円級企業」の日米比較(出所:ロイターナレッジThomsononeデータを基にドリームインキュベータが作成)
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図1 時価総額で見た「兆円級企業」の日米比較(出所:ロイターナレッジThomsononeデータを基にドリームインキュベータが作成)

 対して米国は、28社の7100億米ドル(71兆円)。それが、2013年までの23年間で、逆転され大きく水をあけられた。日本の兆円級企業は100社となり、時価総額は273兆円。これに対して米国では、兆円級企業の数が426社と約15倍に、時価総額は17兆5400億米ドル(1754兆円)と約25倍になった。米国と日本の圧倒的な成長力の違いが分かる。

 中でも顕著なのはベンチャー企業の成長力だ。1990年以降に上場して兆円級に成長した企業は、米国で121社。日本ではソフトバンク、ヤフー楽天の3社だけである。

 米国はベンチャー企業ばかりでなく古参企業も成長している。ここで古参企業とは、1990年時点で上場していた企業を指す。日本の兆円級の古参企業の時価総額は、1990年は112兆円で2013年は257兆円。2.3倍の伸びにとどまる。その間に米国は7100億米ドル(71兆円)から13兆6500億米ドル(1365兆円)と19.2倍に拡大した。

■時代に合わせて事業領域を変化させるGE

 なぜ、日本と米国でこれほど大きな差が開いたのか。「実は、その背景に優れたCTOの存在がある」(竹内氏)。一例が米ゼネラル・エレクトリック(GE)。同社の事業領域の変遷を見ると、2003年から2015年の12年間に大きく変化していることが分かる(図2)。

図2 GEの事業ポートフォリオの変遷(出所:GEのアニュアルレポートなどからドリームインキュベータが作成)
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図2 GEの事業ポートフォリオの変遷(出所:GEのアニュアルレポートなどからドリームインキュベータが作成)

 2003年は金融が大きな比率を占め、家電もある程度の比率を占めていた。2006年には、金融の比率が低下し、代わりにエネルギーや産業分野が増えている。2015年になると、エネルギーの比率がさらに高まり、産業に続いて医療分野も増えている。加えてIoT(モノのインターネット化)を製品に組み合わせ、「インダストリアル・インターネット」を実現した。これにより、例えば航空業界に向けて、優れたエンジンではなく、最適化された飛行を提供する企業へと進化した。

 このように時代に合わせて、提供する価値を変化させて成長を続けられたのは、CTOのマーク・リトル氏が技術の知識をベースに将来を予測しているからだ、と竹内氏は強調する。

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