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シカ被害、ドローンで防げ 中国大手が頭数調査

2016/6/17 6:30
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 小型無人機(ドローン)の世界最大手、中国DJIの日本法人(東京・港)と大日本猟友会は、今秋からシカの個体数を調べる実証実験に乗り出す。全国でシカによる農業被害が相次ぐ一方、これまで正確な個体数は把握できていなかった。調査結果は猟友会による狩猟計画策定につながる。ドローンを野生動物の生態調査に活用する可能性も広がりそうだ。

シカの個体数把握に用いるDJI社製のドローン
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シカの個体数把握に用いるDJI社製のドローン

 実証実験にはDJI日本法人や同社代理店のスカイシーカー(東京・板橋)が協力。岩手県など6県で実施する。

 人の動きを機敏に察知するシカも上空への警戒心は薄い。ドローンは飛行音が静かなため、高さ数十メートルの距離まで接近できるという。ドローンには、被写体の熱を検出できる赤外線サーモグラフィーカメラを搭載。シカの体色は山林では保護色となるため視認しにくいが、赤外線カメラでは判別が容易という。

 調査は山中の川沿いで行う。シカが早朝や夕方に水を飲む習性を利用して、川に集まったシカを川沿いの数キロにわたり撮影する。ドローンは現地に持ち込んだノートパソコンを通じて遠隔で操作。全地球測位システム(GPS)を使って、指定ルートで自動操縦することも可能という。6県での調査結果を基に、全体の個体数を推計する。

赤外線カメラで撮影した画像(丸印がシカ)
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赤外線カメラで撮影した画像(丸印がシカ)

 実験に際し、撮影画像から個体数を数えられるソフトウエア「シカカウンター」も準備した。シカの姿形を大量に記録したデータベースと比較することで、シカと他の生物を区別して自動で検出できる。

 生息に適した耕作放棄地が過疎化で広がるなどし、シカの生息域は拡大している。農林水産省は2013年に、シカの頭数を22年をメドに半減させるとの目標を掲げた。ただ、基準となるシカの個体数は188万~358万頭(本州以南)と幅がある。これまで個体数の算出は目撃数、捕獲数、フンの量などから推計しており、精度の高い調査ができていなかった。

 実証実験を提案した大日本猟友会の佐々木洋平会長は「個体数を把握しないまま捕獲を進めると、シカを過剰に減らしてしまう恐れもある。生息調査の精度を上げて、適切な保護管理をしていきたい」と話す。

 猟友会は、DJI日本法人と東京都あきる野市などが6月に開校したドローンの飛行技術習得所に約20人の会員を全国から派遣、ドローンを操縦する技術者の養成にも取り組むという。

 農水省によると、シカによる獣害が過去最高だった11年度は農作物被害が82億6000万円に上った。その後も年度によって変動はあるが、一定の被害が続いている。農水省は13年度から捕獲したシカ1頭当たり、最大8000円を狩猟者に支給する制度を設けた。また、自治体が独自に支払うケースもある。

 一方で大日本猟友会は、狩猟が一部の偏った場所で行われていたり、豪雪などの異常気象でシカが餓死したりした結果、頭数に地域差が出ている可能性もあると指摘。個体数を把握したうえで、適切な狩猟計画を策定していく考えだ。

 今回の技術は他の動物の個体数把握にも応用できる可能性があるとみて、DJI日本法人などは技術の確立を目指す。

(企業報道部 大平祐嗣)

[日経産業新聞6月17日付]

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