流通のカリスマ退場 セブン&アイ鈴木氏「私の不徳」

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2016/4/8 2:02
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 こうした流れが影響し、社外取締役の多くも「5期連続最高益の社長を代える理由が見当たらない」として鈴木会長の人事案に反対を投じたとみられる。

 サード・ポイントのダニエル・ローブCEOは7日、「セブン&アイ・ホールディングスの企業統治が安倍政権の掲げる第3の矢である成長戦略に沿って進化を遂げたことを喜ばしく思う」とコメントした。

■退任理由 残るナゾ 「創業家の信任失った」

記者会見に臨むセブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長(7日午後、東京都中央区)=写真 伊藤航
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記者会見に臨むセブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長(7日午後、東京都中央区)=写真 伊藤航

 企業統治機能が働いたといえる今回の社長交代案の否決だが、鈴木会長自身の退任の理由については、やや不透明な部分が残る。

 「引退するのは私の不徳のいたすところ。こんな説明をしなければならないのはざんきに堪えない」。マイクを持ちながら微動だにせず、言葉を絞り出すように語った。

 都内で開いた記者会見には、鈴木会長のほか、セブン&アイの村田紀敏社長、長年鈴木会長の側近として仕えてきた顧問の後藤光男氏と佐藤信武氏も同席した。

 ここで明かされたのが、セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長とだけでなく、イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊名誉会長との確執だ。顧問の2人も一方的な批判を展開するという前代未聞の記者会見となった。

 ヨーカ堂を創業した伊藤名誉会長は鈴木会長を自身の後継者としてグループのトップに据えた。鈴木会長は「全面的な信任を得てこれまでは経営を指揮してきた」としており、日本を代表する流通グループに育て上げた鈴木会長のこれまでの手腕を伊藤家も支持してきた。

 今回、伊藤家が示したのは、井阪社長交代案への反対だった。会見で鈴木会長は「今までは伊藤家と良好な関係にあった。でも今回は違った」と語り、「もはや信任されていない」と語った。

 決してクーデターが起きたわけではなく、社内の大半の社員が留任を望んだにもかかわらず鈴木会長は退任を決めた。「これまで私が提案したことを拒否されたことはない。しかし世代が変わった」。鈴木会長はそう語り会社を去るが、自身の穴を埋められるような後継者がグループにいるかは未知数だ。誰もが得をしない中興の祖の退任劇となった。

 7日の株式市場で、セブン&アイ株は乱高下した。人事案を巡る取締役会内の対立が表面化し、午前に一時前日比9%安まで売られた。その後、鈴木会長の退任意向が伝わると売買が活発になり、午後は1%安まで値を戻した。終値は73円(2%)安の4489円だった。

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