ネパール経済、地震で大打撃 観光への依存高く
サービス業、GDPの半分

2015/4/27 2:07
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 【ニューデリー=黒沼勇史】ネパール中部で25日に発生した大地震は、観光産業に依存する同国経済に大きく響きそうだ。後背地の世界最高峰エベレスト(標高8848メートル)周辺を訪れる登山客や、仏塔など世界遺産を巡る観光客の多いネパールは、宿泊施設などサービス産業が国内総生産(GDP)の半分を占める。経済損失はGDPに相当する規模に膨らむ可能性もありそうだ。

 地震に見舞われたネパール・バクタプルで広場に避難した住民=26日(ゲッティ・共同)
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 地震に見舞われたネパール・バクタプルで広場に避難した住民=26日(ゲッティ・共同)

 今回の地震の震源は首都カトマンズの北西約80キロメートルにあり、同国第2の都市ポカラからも近い。人口100万人の最大都市カトマンズとポカラの双方で甚大な被害が生じているほか、ネパール政府は全75地区のうち、中部や西部の30地区に被害が及んだとしている。

 カトマンズでは25日、19世紀に建造された高さ60メートルの「ダラハラ塔」が倒壊した。世界遺産の一つに数えられるダルバール広場でも史跡が損傷した。古都の面影を残すカトマンズ東部のバクタプルではれんが造りや木造の寺院が崩れた。

 登山客が多く訪れるヒマラヤでは雪崩が発生。ベースキャンプに戻る途中の登山客ら、20人前後がヒマラヤで死亡した。

 世界遺産やエベレストを見ようと訪れる観光客の多いネパールには、海外から年80万人前後の観光客が来る。外国人観光客は宿泊や買い物で、同国のGDPの3%相当額を消費する。だが玄関口のカトマンズで被害が大きく、当面は観光客の足が遠のく公算が大きい。

 地震の揺れの大きさと、人的・経済的損失の関係を分析する米地質調査所(USGS)は、今回の地震の経済損失は「ネパールのGDPを上回る可能性がある」と予想する。ネパールのGDPは約190億ドル。損失規模が10億~100億ドルとなる確率を34%、100億~1000億ドルになる確率を29%と予想する。

 米調査会社IHSのチーフエコノミスト、ラジーブ・ビズワズ氏は取材に対し「震源近くの被災状況から試算すると、経済損失はGDPの20%を超え、復興には少なくとも50億ドル必要だ」と指摘。国際的な復興支援が欠かせないとしている。

▼ネパール ヒマラヤ山脈南部に広がる国で、北は中国、南はインドと接する。約14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍)の国土に、約2800万人が暮らす。首都はカトマンズ。主要産業は観光で、世界最高峰のエベレストの登山や、世界遺産にも選ばれている「カトマンズ盆地」の歴史的建造物を訪れる外国人観光客も多い。
 毛沢東派ゲリラによる武装闘争などで国政が混乱、経済も低迷した。1人当たり国内総生産(GDP)は約700ドルで、アジア最貧国のひとつに数えられる。近年は共和制を取り入れ、2014年には憲法制定を目指す議会が招集された。

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