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新日鉄住金、H形鋼を値上げ 流通段階も転嫁進む公算

2017/8/9 23:07
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 新日鉄住金は9日、オフィスビルの鉄骨に使うH形鋼の流通市場(店売り)向けで、8月の契約価格を1トンあたり2千円引き上げると表明した。値上げは3カ月ぶり。首都圏での再開発工事が進み、秋から鋼材の需要が本格化すると判断した。鋼材問屋の在庫も減少に転じ、流通段階でも価格の転嫁が進む公算が大きくなっている。

 2016年秋からの値上げ幅は合計で2万5千円となる。H形鋼は4~6月は荷動きが低調だったが、7月後半から回復基調にある。物流倉庫やビジネスホテルの建設着工は高水準なうえ、9月以降は東京五輪関連の再開発工事が本格的に始まる見通しだ。

 需要の回復が見込まれるほか、原料の急反発も値上げ表明につながった。中国での鋼材高を受け、7月以降鉄鉱石のスポット(随時契約)価格が上昇。1トン75ドルを超え、6月の安値から4割高い。高炉各社は利ざや確保のため、鋼材価格への転嫁を迫られた。

 メーカーの度重なる値上げは流通業者の収益を圧迫しており、問屋から鉄骨加工業者向けといった流通段階での浸透が焦点となる。市中価格は現在1トン7万4千円前後で、今回の値上げが満額浸透した場合の上昇率は3%程度とみられる。

 千葉県浦安市の鋼材問屋、加藤鉄鋼は8月中にも1トン2000~3000円の値上げを計画する。「8月に入って中小物件のオフィスビル開発が動き始め、加工業者の仕事が増えている。値上げの状況が整いつつある」(同社)という。

 新日鉄住金の鋼材を取り扱う流通業者でつくる「ときわ会」がまとめた7月末時点のH形鋼在庫量は、前月末に比べ2%減の18万8800トンだった。6カ月ぶりの低水準となる。鉄鋼メーカーが慎重な生産を続けているうえ、1日当たりの出庫量も増加した。「H形鋼の市中価格は7万5千円超えが視野に入った」(鋼材商社)との声がある。

 原料コストの上昇で新日鉄住金は今後も追加の値上げを検討する。建設業者など需要家への直接販売(ひも付き)についても、「一層の引き上げを強力に推し進めている」(建材事業部)。

 ただ一部の問屋からは「人手不足で建設工事の後ズレが続き、鋼材需要の増加は限定的」との指摘も聞かれる。昨年秋からのメーカーの出荷価格の引き上げ額に比べ、市中での浸透は半分程度にとどまる。メーカーの思惑通りに販売が伸びなければ、市中価格の上昇は遅れる可能性がある。

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