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業績ニュース

配当方針、3割が記載なし 決算短信の簡素化始まる

2017/5/23 23:09
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 決算短信の記載内容の一部を自由に変更できる簡素化が2017年3月期決算から本格的に始まった。見直しが目立ったのが配当など利益配分に関する説明。主要企業の3社に1社が記載を省いた。簡素化は企業の負担を減らし短信の速報性を高める狙いがあるが、投資家からは企業の情報開示の後退につながるとの懸念も出ている。

 東京証券取引所は17年3月期末から決算短信の簡素化を容認。売上高や純利益などを記載する表紙の内容を自由にしたほか、中程にある配当方針や経営指標などの開示を任意とした。

 野村証券の調べによると、TOPIX1000採用銘柄で19日までに17年3月期決算を発表した760社のうち、31%にあたる234社が短信から利益配分の説明を削除した。利益配分の説明では配当性向や設備投資、内部留保の方針を示すことが多い。

簡素化は速報性を高めるのが狙いだが…(決算発表集中日に資料を配布する担当者ら)

簡素化は速報性を高めるのが狙いだが…(決算発表集中日に資料を配布する担当者ら)

 配当方針などの説明を削除した富士通は「他の資料で補完できる。速報性を優先した」と説明。ホンダは「配当の考え方は従来と変わらず、省いても影響はない」という。ただ、投資家からは「方針が変化したかどうかを確認できなくなった」との不満も聞かれる。

 市場に動揺が広がったのが、パイロットコーポレーションが8日に発表した17年1~3月期の決算短信だ。配当方針だけでなく、決算の内容に関する説明も削除した。翌日に発表した四半期報告書には記載したが、投資家から批判が殺到。会社側は「やり過ぎた面があった。次の短信では見直す予定」と釈明する。

 日立製作所は、これまで短信表紙の左上に記載していた問い合わせ先や株主総会日程などを省いた。「投資家などに確認し、重要性が低いと判断した」という。逆に、自己資本利益率(ROE)や利払い前・税引き前利益(EBIT)などの情報を加えている。

 通期決算に比べ、もともと情報量が少ない四半期決算では、一段と簡略化が進む可能性もある。アバディーン投信投資顧問の窪田慶太氏は「必要な企業分析ができず、投資家が売買のタイミングを逃す可能性がある」と苦言を呈す。

 東証は企業の事務負担を減らし、発表の時期を早めたり内容を効率化したりする効果を期待している。だが、今年の3月期決算は、シーズン後半の5月12日に発表が集中。発表社数が過去最多になった。

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