退位法案が国会審議へ 政府答弁、将来の判断材料に

2017/5/20 0:30
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 政府は19日、天皇陛下の退位を実現する特例法案を閣議決定し国会に提出した。月内にも審議入りし今国会で成立する日程を描く。陛下の一代限りの退位を認めつつ、将来の先例とする方針。国会審議での政府答弁も将来に同様の事例が生じた際、是非を判断する参考となる見通しだ。与野党は審議と並行し皇位の安定継承策を政府に促す付帯決議を巡り調整を続ける。

 政府は法案を陛下の一代限りの退位を認める特例とする。1条に陛下の退位に至る事情を詳細に記述したのは、一般化を避け、個別の事例であることを強調するためだ。陛下が高齢により公務の継続が困難になることを「深く案じておられる」と指摘し「国民は陛下のお気持ちを理解し共感している」と明記した。

 一方、国会が3月に政府に一代限りの退位を認める特例法の制定を促す提言をまとめた際、野党を中心に法案を将来の先例に位置づけるよう求める声が上がった。政府は法案への与野党の幅広い合意形成を目指し、野党にも配慮。法案の先例化を認めた。自民党の高村正彦副総裁も「皇室典範に関する例外だが、現実の問題として将来の先例になる」と述べる。

 ただ政府は安易に先例を認めると恣意的・強制的な退位につながりかねないとみて、条件を厳格化したい考えだ。月内にも始まる国会審議で、菅義偉官房長官らが法案の先例化を巡りどう答弁するかが焦点となる。与野党は国会の政府答弁も将来、退位の判断の材料になるとみる。民進党が19日に開いた皇位検討委員会などの合同会議では「退位が将来の先例となることを国会審議で確認すべきだ」との意見が出た。

 与野党は審議と並行し法案の付帯決議に皇位の安定継承へ向けて、女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」創設の文言を盛り込むかなどの調整も続ける。3月の国会提言では民進党の主張を取り入れ「女性宮家の創設等」について政府の速やかな検討を促し、付帯決議に盛り込むことなどを求めた。

 皇族数の減少への対策は急務だ。閣議決定の直前には秋篠宮家の長女、眞子さまが婚約される予定が明らかになった。眞子さまは結婚後、皇室典範の規定に従い、皇室を離れられる。現在の皇室は天皇皇后両陛下を含めて19人。このうち30代以下は8人で、悠仁さまを除く7人全員が未婚の女性皇族だ。

 今後、結婚による皇籍離脱が続けば、悠仁さまが即位されるとき、国事行為の代行などで天皇を支える皇族がいなくなる事態も想定される。

 民進党の馬淵澄夫・皇位検討委事務局長は19日、「女性宮家は皇位の安定継承のために極めて重要な論点だ」と述べた。一方で自民党の二階俊博幹事長は女性宮家に関し「専門家の間で取り組みをしている。文言が固まった段階で判断したい」と述べるにとどめた。

 民進党は付帯決議に女性宮家の創設を明記し、1年後をめどに結論を出すよう求める考え。だが、保守層を支持基盤とする自民党は女性宮家への抵抗が強く、首相も女系・女性天皇につながる宮家の創設には慎重な立場を取る。与野党は法案の衆院採決までに付帯決議の内容で合意したい構えだ。

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