H形鋼を1トン2000円値上げ 新日鉄住金 市中への浸透に時間も

2017/5/16 22:44
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 新日鉄住金は16日、オフィスビルの鉄骨に使うH形鋼の流通市場(店売り)向けで、5月の契約価格を1トンあたり2千円引き上げると表明した。値上げは2カ月ぶり。鋼材の荷動きは低調だが、夏以降に需要が出てくると判断した。原料価格の反落などで値上げ機運がしぼむなか、市況を下支えする。内需は振るわず、市中価格への浸透に時間がかかる可能性もある。

 新日鉄住金は2016年秋から断続的に値上げを表明しており、引き上げ幅は合計で2万3千円となる。同社は「事業を継続するため、必要なマージンを確保する必要がある」(建材事業部)とし、今後一段の値上げに意欲を示した。

 値上げに踏み切った背景には、1~3月の建築着工が前年実績を上回りH形鋼の需要が最悪期を脱したとの判断がある。夏以降に都心部の再開発のほか物流倉庫やホテルの建設が見込まれ、市場ではH形鋼の需要は伸びるとの見方が出ている。

 荷動きは低迷したままだ。4~6月は例年、年度末までの需要が一巡する。鉄骨加工業者などの鋼材手当ての意欲は高まっていない。

 H形鋼の市中価格は現在、1トン7万4千円前後。今回の引き上げが満額浸透した場合の上昇率は3%程度とみられる。

 出荷の伸び悩みで昨年秋からの上昇率は8千円(12%)程度にとどまる。流通各社が当面の目標とする1トン7万5千円には届いておらず、「サイズによっては売れば赤字になるケースが増えている」(千葉県浦安市の鋼材問屋)。

 流通各社は割高な新日鉄住金からの調達を手控え、5千円前後安いとされる電炉品の仕入れを増やしているという。

 需要の低迷に加え、原料の鉄鉱石の値下がりや、中国から安値での製品輸出がみられるなど鋼材の追加値上げをしにくい要件が増えている。それでも新日鉄住金が販価の引き上げに踏み切った背景には、競合する電炉大手の東京製鉄をけん制する狙いが浮かぶ。

 東鉄は原料の鉄スクラップ価格の急落で、近く発表する6月契約分の鋼材価格を引き下げる可能性が取り沙汰される。「価格の上昇ムードを保ち、東鉄が販価を維持しやすい環境を作った」(鋼材商社)との見立てがある。

 流通市場では「需要家への転嫁は早くても需要の回復が期待できる7月以降」(千葉県の鋼材問屋)との声が多い。市中価格への反映には、時間がかかりそうだ。

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